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本の紹介「ゴキブリ研究はじめました」
「ゴキブリ研究はじめました」柳澤静磨著、イースト・プレス、2022年7月、ISBN978-4-7816-2095-4、1500円+税
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【森住奈穂 20230818】【公開用】
●「ゴキブリ研究はじめました」柳澤静磨著、イースト・プレス
「嫌い嫌いも好きのうち」とは、ゴキブリ書でよく見かけるフレーズ。そんなこと言われても無理なものは無理!と思っていたけれど、本書には「もしかしたら…」と思わせてくれる何かがある。飼育をきっかけに大嫌いから大好きへ、著者自身が180度の転身を遂げた経緯に親近感を感じたからか…はたまた、あまりにも素直にゴキブリを褒める著者によって洗脳されてしまうからなのか。昆虫館職員でゴキブリ展の企画・運営のために珍しいゴキを探すうち、新種記載まで行ってしまうその様子は確かに楽しそう。森に住むおとなしいゴキブリたちもたくさん登場。読み終わる頃には、飼ってみたいかも?となっているのです。
お薦め度:★★★★ 対象:新しい自分に出会いたいひと
【里井敬 20230817】
●「ゴキブリ研究はじめました」柳澤静磨著、イースト・プレス
生きものや他の昆虫は好きなのに、ゴキブリは嫌いだった著者が、昆虫館の仕事で沖縄の島で捕獲したゴキブリを飼う内に、好きになり、新種を2種、後にさらに1種を発見し論文まで書いてしまった。ゴキブリを含む昆虫が好きではない一般の人も、怖い物見たさで昆虫館に足を運び、ゴキブリも生態系に大切な役割を果たしていることの気づきになっている。新種の発表や標本作りの苦労が軽い口調で書かれているのが良い。
お薦め度:★★★★ 対象:ゴキブリが好きな人も嫌いな人も!
【冨永則子 20230805】
●「ゴキブリ研究はじめました」柳澤静磨著、イースト・プレス
ゴキブリ=Gといえば、家の中に突如現れる恐るべき害虫の代表。いくらカブトムシやテントウムシと同じ昆虫の仲間だと言われても、見つけ次第、殺虫剤をふりまき、叩き潰さねばならない存在でしかない。幼い頃からの虫好きで昆虫少年だった著者も唯一ゴキブリだけは大の苦手だった。それがヒョンなことからゴキブリに関わり、新種のゴキブリを発見し、アカデミックとは全く無縁だったのに新種記載までしてしまう。幼い頃はゴキブリが嫌いすぎて図鑑のゴキブリのページはセロハンテープで止めて見えなくしていた著者が新しく出版される昆虫図鑑ではゴキブリのページを担当することになったとか…。ヒトの嗜好は変わるものなんだなぁ。字が大きくて読みやすかった。
お薦め度:★★★★ 対象:虫が大嫌いな我がムスコに
【西村寿雄 20230815】
●「ゴキブリ研究はじめました」柳澤静磨著、イースト・プレス
なんとなく人にきらわれているゴキブリ、著者ももともとゴキブリは苦手だったらしい。それが静岡県のある昆虫館に勤めたきっかけで飼育までしてだんだんとゴキブリになじんでいく。館内で「ゴキブリ展」を企画するなどしてゴキブリの普及に努めるまでになる。さらに各地にゴキブリ探しに出かけたり、「ゴキブリスト」を名乗るまでゴキブリの研究にのめり込んでいく。あげくのはては新種発見をして論文にまで仕上げる。著者のゴキブリ人生をコミカルに語っている。
お薦め度:★★★ 対象:ゴキブリ嫌いの人、好きな人
【萩野哲 20230801】
●「ゴキブリ研究はじめました」柳澤静磨著、イースト・プレス
「なぜ嫌われるのか」から始めなければならない宿命を持つ昆虫、ゴキブリ。答えは作られたイメージが大きく、本当はなぜかよく考えてほしいと著者は訴える。まずはゴキブリを知ること。黒っぽいセカセカしたヤツ(コイツが問題だけど)ばかりではないのだ。著者も最初はゴキブリ嫌いだったが、採集や飼育を通じて慣れてきた。脱走防止に気を使えばゴキブリは飼育しやすい。ゴキブリ展で手応えを得た著者は更にゴキブリ好きとなり、与那国島での未記載種ルリゴキブリ採集がゴキブリ屋誕生の決定打となった。ラッキーにも記載を手伝ってくれる先生方にも恵まれ、ゴキブリが魅力的になるまでに至り、今ではゴキブリを「生き物に興味がない人々に生き物の世界に振り向かせる題材」となるポテンシャルを秘めた生き物とまで考えている。かつて図鑑のゴキブリのページをテープで止めて見えなくしていた少年がその場所を書く側になってしまった。ゴキブリの話なのに抵抗が少なく読みやすかった。
お薦め度:★★★★ 対象:ゴキブリが人の運命を変えるかもしれないと思う人
【和田岳 20230704】
●「ゴキブリ研究はじめました」柳澤静磨著、イースト・プレス
ゴキブリ嫌いだった昆虫館の職員が、ゴキブリの飼育を通じて、やがてゴキブリを好きになってしまうという恐ろしい物語。元ゴキブリ嫌いからの、多くのゴキブリ嫌いの人に向けてのゴキブリ普及書。
高校からなんとなく専門学校に進み、なぜか昆虫館に採用された著者。そして西表島でヒメマルゴキブリなどのゴキブリに出会う。その飼育を通じて、徐々にゴキブリに触れるようになり、ゴキブリ展開催で、さらに手応えを感じる。後半は、新種のルリゴキブリの発見と記載の話。
とても嫌われるということは、強い関心を持たれているということ、ゴキブリは虫を普及する上で、絶好の素材であるという。とはいうものの、コラムには、クセになるゴキブリの匂いとか、ゴキブリを食べる話などもあり、読んでるだけでゾワゾワする。とはいえ、ヒメマルゴキブリは触ってみたいとか、ゼブラローチの匂いを嗅いでみたい、とは思った。しっかり普及されたかも。
お薦め度:★★★★ 対象:ゴキブリが大嫌いなあなたへ
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