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本の紹介「はじめての地質学」

「はじめての地質学 日本の地層と岩石を調べる」日本地質学会著、ベレ出版、2017年9月、ISBN978-4-86064-522-9、1600円+税


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【上田梨紗 20171222】【公開用】
●「はじめての地質学」日本地質学会著、ベレ出版

 地質とは、地球の表層部をつくっている地層や岩石の種類、性質をいうだけではなく、地球の生い立ちや地殻変動、環境変化、水・金属・エネルギーなど、私たちに必要な資源が含まれている。地質を調べ、科学的知識を共有するのが地質学で、すなわち!総合学問のようなものなのである!!! と、読み取りました。入門に適しているのではと思われます。伊豆大島の地層大切断面を見に行きたいと思うはず。

 お薦め度:★★★★  対象:地質学の事が学生の時は苦手だったけどぶらタモリで少し気になりだした人、歴史が好きな人、大きな地震が来るとわかっていても家を買おうとしてる人


【西村寿雄 20171220】【公開用】
●「はじめての地質学」日本地質学会著、ベレ出版

 本書は、日本地質学会創立125周年を記念して地質学について一般の人に知ってもらうことを目的に出版された。内容としては「地面の下はどうなっているのだろうか」「地球の内部はどうなっているのか」「地質学が歩んできた歴史」「日本列島はどのようにしてできたのだろうか」など7章からなっている。しかし、目的とは裏腹に、内容は網羅的で図版も少なく言葉も解説調で一般の人が興味を持って理解できるような書きぶりではない。しいて言えば、地質学を学ぼうとしている学生などが、今の地質学の全貌を知るには役立つかも知れない。

 お薦め度:★★  対象:地質学を学ぼうとする学生


【中条武司 20171221】
●「はじめての地質学」日本地質学会著、ベレ出版

 日本地質学会の125年記念に出版された初学者向けの本、らしいんだけど…。地質学の全体像がわかるように書こうとしており、狙いはきっと「やさしい教科書」なんだろう。そのわりに図表が極めて少なく、専門用語や固有名詞が解説なしにでてくることがある。これなら、普通に高校生向けの教科書や資料集を見ていた方がよくわかる。地質学会が「県の石を決めた」と自慢するなら、そのリストくらいつけておけよ(2ページで済む!)。間違ったことを書いているわけではないので★は2つにしたけど、この本を読むくらいなら他にもっと良い本がある。

 お薦め度:★★  対象:地質学の概観を知りたい人向け


【西本由佳 20171219】
●「はじめての地質学」日本地質学会著、ベレ出版

 この本は地質学の入門書として、比較的とっつきやすい身近なものに目を向けながら、それに地質学がどう関わってきたか、何を解明してきたかを話している。地質学というと、地味な石ころや地層から、気の遠くなるような時間をあつかう博物学的趣味というイメージがある。しかし、地質学は鉱物資源の探索から発展してきたことや、これからの自然災害とのつきあい方を考えるために重要となることなど、実は日々のくらしに大きく関わっていることが示される。

 お薦め度:★★★  対象:日頃アスファルトの地面しか踏んでいない人


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