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本の紹介「春の数えかた」

「春の数えかた」日高敏隆著、新潮社、ISBN4-10-451001-7、1300円+税


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【寺島久雄 20030215】
●「春の数えかた」日高敏隆著、新潮社

 著者が彦根の琵琶湖に住んだ数年間の学者と詩人の目で観察した随想である。
 地球は気候が毎年寒暖の冬だったり、暑い夏だったりするが、生きものたちはそうかんたんに変わらず、春の到来を知っている。それは概年時代を持つ植物、寒暖を積算している虫たちは有効積算量の総量が一定値を越えたら春を知ると筆者は言っている。
 「共生」とは虫の一匹、一匹、草の一本、一本がおのおのきわめて利己的に生きていること、「共生」とはこのような利己と利己のせめぎ合いの上にはじめて成り立つものではないかと。人里も自然と此の様な共生であらねばと述べている。
 
 お薦め度:★★★★  対象:植物、虫の好きな人に

【寺島久雄 20021019】
●「春の数えかた」日高敏隆著、新潮社

 著者が彦根の琵琶湖に住んだ数年間の春の心の記録である。
 地球は気候が毎年寒暖の冬だったり、暑い夏だったりするが、生きものたちはそうかんたんに変わらず、春の到来を知っている。それは概年時代を持つ植物、寒暖を積算している虫たちは有効積算量の総量が一定値を越えたら春を知ると筆者は言っている。
 「共生」とは虫の一匹、一匹、草の一本、一本がおのおのきわめて利己的に生きていること、「共生」とはこのような利己と利己のせめぎ合いの上にはじめて成り立つものではないかと。
 人里も自然と此の様な共生であらねばと述べている。
 
 お薦め度:★★★★  対象:植物、虫の好きな人に


【和田岳 20020221】
●「春の数えかた」日高敏隆著、新潮社

 昆虫のおもに行動学の研究者の著者が、滋賀県立大学学長時代に書いたエッセイ集。
 中身は、体験談を語ったり、自分の経験や昔話を交えながら最近の理論や他人の研究を紹介したり、昔からその筋では常識なことを解説したり。昆虫をはじめとした生物や行動学・生態学関係の話題が多いが、シャワーやスリッパの話の時もあって、とくに方針はないらしい。ただし、生物が季節をどうやって知るのか、という話題は全体を通じて繰り返し現れる。
 全体に気軽に読める内容だが、「人里を創ろう」という言葉の中身には注目しておきたい。
 
 お薦め度:★★  対象:昆虫研究者によるちょっとしたエッセイが読みたい人に

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