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本の紹介「春を待つ里山」
「春を待つ里山」会田法行文・山口明夏写真、ポプラ社、2011年12月、ISBN 978-4-591-12704-9、1500円+税
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【西村寿雄 20120220】
●「春を待つ里山」会田法行文・山口明夏写真、ポプラ社
たんなる「春を待つ里山」の話ではない。2011年3月、東北地方に起きた地震と同時に原子力発電所が爆発し辺り一帯に放射能をまき散らした。津波の被害をまぬがれたにもかかわらず、村全体が避難させられた村もある。その現場を二人のカメラマンが追った。自然に満ちた外山で幸せな生活を送っておられた人の上に突然ふりかかった人災。避難を余儀なくさせられた人々の苦難がにじみ出てくる。明日を生きようとする酪農家と物言わぬ牛の無念さも伝わってくる。静かな写真が強く読者にせまる。里山に咲く満開の桜でこの本はしめくくられている。
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