友の会読書サークルBooks
本の紹介「はさみむし」
「はさみむし」石森愛彦著、福音館書店かがくのとも2019年11月号、400円+税
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【西村寿雄 20200217】【公開用】
●「はさみむし」石森愛彦著、福音館書店かがくのとも2019年11月号
〈ぶきをもつむしたち〉のシリーズ一つとして紹介されているようだ。ハサミムシはそんなに少なくはないが、夜間に動き回ることが多い虫なので見つけにくい。そのハサミムシの生態から卵を産み子どもが生まれるまでの一生をそつなく大きな絵で紹介されている。〈ぶき=はさみ〉は器用に体を折り曲げてでも獲物をつかまえることもできるので便利な機能である。交尾時には相手をはさめるので都合がいい。絵はシンプルで大胆に描かれているので見やすい。
お薦め度:★★★ 対象:昆虫に興味ある子ども
【冨永則子 20200219】
●「はさみむし」石森愛彦著、福音館書店かがくのとも2019年11月号
お尻にハサミがあるから“はさみむし”。完全に無翅で夜行性のヒゲジロハサミムシの一年間の生態を追っていく。ヒゲジロハサミムシは街なかの住宅地でもよく見られる。不完全変態で脱皮をして大きくなる。幼虫で越冬し、春になって最後の脱皮をして成虫になり、交尾して産卵。メスは2回の産卵と子育てを終えた秋の終わりには寿命を終えるが、その頃には幼虫もずいぶん大きくなっていて石の下や朽木の下で越冬する。メスは産卵したあと、孵化するまで甲斐甲斐しく卵の世話をする。カビなどが生えないよう一つずつ舐めて汚れを取ったり、バラバラに広げて風通しをよくしたり、また集めたり、もちろん外敵からも守り、孵化した幼虫にはエサも与えて子育てをする。捕食者のムカデに出会ったら一目散に逃げるのに、同じハサミムシだと触覚でお互いを探りあい、オスどうしだったら威嚇し、メスだったら素早く交尾する。雌雄の違いは触覚で探り合うまで分からないのに、同種であることはなぜ分かるのかな? 見えてるの? 臭い? 不思議だなぁ。
お薦め度:★★★ 対象:身近な虫のくらしを知りたいヒトに
【和田岳 20200220】
●「はさみむし」石森愛彦著、福音館書店かがくのとも2019年11月号
ヒゲジロハサミムシが、ワラジムシを食べて、交尾して、産卵して、子ども育てる。というストーリーが、丁寧な絵でつづられていく。
ハサミムシのメスが、卵の世話を焼いて、子どもに給餌まで行うとは知らない人が多いんじゃないだろうか? 裏表紙を見ると、さらに7種ものハサミムシが出ていて、ハサミムシって意外と種類が多いんだなぁ、って感じ。裏表紙見返し、オスとメスの見分け方が載っている。今度見た時に使ってみよう。
お薦め度:★★★ 対象:ハサミムシってちょくちょく見かけるけど、あんまり知らないなぁ、って人
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