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本の紹介「へんてこな生き物 カラー版」
「へんてこな生き物 世界のふしぎを巡る旅 カラー版」川端裕人著、中公新書ラクレ、2022年8月、ISBN978-4-12-150771-6、1200円+税
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【和田岳 20241219】【公開用】
●「へんてこな生き物 カラー版」川端裕人著、中公新書ラクレ
小説もノンフィクションも書く著者が、世界各地を旅して出会った動物を紹介。
西オーストラリアで有袋類とハリモグラ。マダガスカルのキツネザル類、ヤクザル、大型類人猿、テングザル。西オーストラリアで軟骨魚類やストロマトライト、アマゾンマナティー、ミナミセミクジラ。ペンギンやカカポなどニュージーランド周辺の飛べない鳥。アフリカのサバクトビバッタとヒヨケムシ、ニュージーランドのウェタなど。
西オーストラリアとニュージーランドがお気に入り。行く先々では、エコツアーに参加することもあるが、研究者にコンタクトをとって案内してもらうことが多い。それは確実に出会うためだけでなく、“生息地で適切な行動を取ることができる”ため。現地での出会いのエピソードだけでなく、その研究者の研究成果、さらに出会いの後、その動物についての研究の進展、その状況がどう変化したのかまで紹介され、フォローアップが素晴らしい。
お薦め度:★★★ 対象:動物好き、あるいは気になる動物に出会う旅に行ってみたい人
【西本由佳 20241123】
●「へんてこな生き物 カラー版」川端裕人著、中公新書ラクレ
著者は科学者ではなくジャーナリスト。生きものが好きで世界中あちこちをめぐり、たくさんの専門家に取材し、また観光客として自然観察ガイドから話を聞いてきた。毒草の森に適応したナンバット、「幽霊」と称されるワオキツネザル、意外とその辺に生息している巨大両生類オオサンショウウオ、こんな鳥が野生で生きてこれたなんてどんなのどかな環境だろうと思えるようなカカポ、一匹だときれいだけど集まると悪夢となるサバクトビバッタ。など、30以上の「へんてこな」生きものたちを、写真、出会った状況と観察、最新の研究成果で紹介していく。
お薦め度:★★★ 対象:生きもののふしぎさを感じたい人
【萩野哲 20241216】
●「へんてこな生き物 カラー版」川端裕人著、中公新書ラクレ
著者はかわいい、美しい、奇妙などを感じる「センス・オブ・ワンダー」をもたらすものを「へんてこ」と呼んでいる。そのような動物について実際に生息地を訪問・見聞した記録をまとめたのが本書である。各々の動物には写真だけではなく、古い文献のみごとな図が添付されおり、複数の謎が紹介されている。かなりの動物については、それを見る目的で現地に赴いているが、想定外で見ることができた動物については、より思い入れも大きいだろう。その最たる動物のひとつが西オーストラリアの海から数100km内陸のフィッツロイ川で見たノコギリエイだろう。「へんてこ」な生き物に、何よりも著者が楽しんでいるのがよい。そして、著者に限らず誰にでも、特に生き物好きなら容易に理解できる。世界でも日本でもどこでも、そのような出会いを大切にしたいものだ。
お薦め度:★★★ 対象:「へんてこ」な(まあ個人的には違うニュアンスだけど)生き物に会いたい生き物好きの人
【森住奈穂 20241219】
●「へんてこな生き物 カラー版」川端裕人著、中公新書ラクレ
フィクション、ノンフィクション両分野で活躍する作家がカメラを携え、世界中の気になる生きものに会いに出かけた。西オーストラリアに始まって、霊長類、水辺の生きもの、飛べない鳥、虫、と章が続く。写真がたくさん載っていて、文章と共に臨場感が伝わってき、著者の体験を直接聞いているような気分になる。過去のBooks課題本の研究者たちも多数登場で懐かしい。観光客向けツアーの参加ルポもあって、マウンテンゴリラやカカポに私も会いたい!
お薦め度:★★★ 対象:旅好きの生きもの好き
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