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本の紹介「人はクマと友だちになれるか?」
「人はクマと友だちになれるか?」太田京子著、岩崎書店、2004年7月、ISBN4-265-02744-X、1200円+税
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【六車恭子 20050222】【公開用】
●「人はクマと友だちになれるか?」太田京子著、岩崎書店
近頃人里でクマが頻繁に目撃されるようになった。加えて秋のドングリの不作も追い討ちをかけた。本のタイトルはそのニュ−スに接する度に私たちの胸に去来する命題だ。軽井沢の別荘地で活躍するクマを監視追跡し、人とクマの共存を探るピッキオを取材し、私たちに何ができるかを探ろうとした体験記だ。「人とクマの間の通訳になる」を信念に「クマの目」を持つ彼らはゴミ問題のエキスパートでもある。
クマの住む豊かな森を貧しくしたのは大型林道を作り続けた人的結果、野生とのつき合い方を見失って来たのも人の傲慢さのせいなのでしょう。
子どもの頃、北海道で檻に閉じ込められたヒグマを見た時の胸の閊えを、著者はこうしてクマ問題から見える世界の再構築を訴えてくれる。野生とつき合う方法を考えさせてくれる好著。
お薦め度:★★★ 対象:しっかり物事に取り組むと世界の連係が見えると実感してみたい人
【和田岳 20041217】
●「人はクマと友だちになれるか?」太田京子著、岩崎書店
長野県軽井沢では、ピッキオという団体が、人とクマとが共存できるように、がんばって取り組んでいます。その活動の紹介を中心に、人とクマの関わり合い方を紹介しながら、共存の道を考えてみようという本。後ろに、クマについての基礎知識のQ&A集もついています。
ピッキオのがやっている取り組みは、クマが人家近くに出没しないように蓋付きのしっかりしたゴミ箱を普及させたり、人家近くに出没するクマを捕まえてお仕置きをしてから山奥に放すなど。24時間で態勢で、クマが出没したすぐに出動してクマを追い払ったり、ゴミの出し方の指導をしたりと、とってもがんばっています。
この秋、人里に出没した多くのクマが撃ち殺されました。一方で、クマを殺さずになんとか共存しようと、これだけの努力をしている人々がいます。クマと共存するにはどうしたらいいのか、考えはじめるために是非読んでみてください。
お薦め度:★★★ 対象:この秋、多くのクマが殺されて心を痛めている方に
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