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本の紹介「ほぼ命がけサメ図鑑」

「ほぼ命がけサメ図鑑」沼口麻子著、講談社、2018年5月、ISBN978-4-06-220518-4、1800円+税

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【萩野哲 20190813】【公開用】
●「ほぼ命がけサメ図鑑」沼口麻子著、講談社

 自称「シャークジャーナリスト」の著者がその地位を確保するために「ほぼ命がけ」で著した本。登場サメ物は22種+αで、主な種は網羅している。第1章は「サメのよろず相談室」と題したサメにまつわる質問コーナーで、サメの基本から彼らの冤罪を晴らす目的のものまで、適切かつ適度な質問が並んでいる。第2章は「わたしの体当たりサメ図鑑」として15種が解説されている(残りの種は第1章と第3章に侵入)。第3章は「わたしの世界サメ巡礼」と題し、結構サメ料理の話が多い。その他にも「ちょっとフカ掘りサメ講座」や「サメ界ミライのエースたち」といった楽しいコラムが散りばめられている。サメ図鑑ではその種のサイズがわかる工夫や必要事項が要領よくまとめられている。どの話も自分の経験に裏打ちされており、ほんとうにサメ好きとわかる著者のセンスが好ましい。

 お薦め度:★★★  対象:ちょっとでもサメに興味がある人
【冨永則子 20190826】
●「ほぼ命がけサメ図鑑」沼口麻子著、講談社

 サメは現在、地球上で509種が確認されている。魚類最大サイズのジンベエザメから、手のひらサイズの世界最小のツラナガコビトザメまで、大きさをはじめ、生息域や生息水域、生態も様々で、多様性に富み、まだまだ分からないことだらけとか。一番不思議だなと思ったことは赤ちゃんザメを産む「胎生」と、卵を産む「卵生」に分かれていて、同じ「胎生」でも母体内での育ち方が多様であること。著者が実際に出会ったサメたち15種類をエピソードを交えて図鑑形式で紹介している。まさに体当たりの図鑑である。フリーランスでサメを追いかけて職業になるんだなぁ。

 お薦め度:★★★★  対象:JAWSはホホジロザメだと思っている人に
【西本由佳 20190825】
●「ほぼ命がけサメ図鑑」沼口麻子著、講談社

 サメはそれほど危険な生きものではないらしい。サメが大好きで、自らシャークジャーナリストを名のる著者は何度も主張する。読んでいると、その歯と皮膚は確かに威力があるとしても、じゃれついたり、人を見て逃げたり、気にしなかったりと、サメが人を襲うことはごくまれなようだ。シャークウォッチングはダイビングの人気メニューだという。本書は半分研究者、半分ジャーナリストのような立ち位置の著者が、サメについて一般の人が抱くイメージの真偽やサメ研究のトピック、著者のサメとの出会いなどを紹介している。ちなみにサメの一番の天敵は人間。本書に出てくるサメ料理の数々を見ると納得する。

 お薦め度:★★★  対象:サメを危険だと思う人に
【和田岳 20190828】
●「ほぼ命がけサメ図鑑」沼口麻子著、講談社

 自称シャークジャーナリストによるサメの魅力の伝導書。第1章は、「人食いザメっているんですか?」からはじまって、Q&A形式でのサメの紹介。第2章はカグラザメからウバザメまで15種ついて、著者が出会ったエピソードとともにサメの紹介。第3章は、サメと人の関わりを中心に、サメ料理や、サメとのダイビング、水族館でのサメ観察などを、著者の体験ベースで紹介。
 とりあえず食欲はかなり刺激される。一番美味しいというアブラツノザメを食べてみたい。栃木県に行ったらモロフライ定食を食わねば。上越市に行ったらスーパーでサメ肉を買わねば。
 サメについての正しい知識や本当の姿を、著者のあふれんばかりのサメ愛とともに知ることができる。

 お薦め度:★★★  対象:サメに興味のある人、あるいは「ジョーズ」を見てサメは怖いと思っている人
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