海へ行くと思わず拾ってしまうものがある。ビーチグラスといわれるガラスの破片である。波にもまれて無数の傷を受けたガラスは、半透明になり、美しく色のついた石のようになる。私の場合は、ただそれを集めているだけであるが、本書の著者は漂着物が何を表しているのか科学している。海流による植物の種子散布や虫の移動、人の暮らしと文化、海洋汚染の問題など、漂着物から広がる話題は多岐に広がる。長年重ねられた研究の成果だからわかる、人間と環境の変化、守るべき海岸の存在も見えてくる。本書を読んだ後、海岸を歩けば、「漂着物は海流の落とし子」という著者の気持ちがわかることだろう。
お薦め度:★★★ 対象:中学生以上、海へ行く前に
海へ行くと思わず拾ってしまうものがある。ビーチグラスと言われるガラスの破片である。波にもまれ、旅をし、無数の傷を受けたガラスは半透明になり、美しく色のついた石のようになる。私の場合は、ただそれを集めているだけであるが、本書の著書は、集めるだけでなく、その漂着物が何を表しているのか科学している。海流による植物の種子散布や虫の移動を探り、また、海洋汚染の問題を考える。今度、海に行くときには、浜に流れ着いた漂着物をもう少し探してみようという気になったが、いろいろ集めた場合の漂着物の整理のことを考えると少し恐ろしくなった。著者はどんな方法で漂着物を整理しているのか、見てみたい。
お薦め度:★★★ 対象:中学生以上、海へ行く前に
海岸に打ち上がった漂着物を拾うビーチコーミング。その対象は、植物の種子や動物の死体だけでなく、ゴミや廃油ボールにまで及ぶ。単に拾うだけでなく、それから何が見えてくるか、まさに漂着物学の入門書。
漂着物をきっかけにした話題は、動植物の話題から、人間の生活や環境問題にまで幅広い。海岸のゴミからこんなにいろんな事がわかるとは、と感心できる。でも、自分自身でゴミを拾ってみようと思うかは、別問題。ただ、海にゴミを捨てるのはやめようとは思うかも。
日本中の浜辺を歩き回っては、打ち上がってる物を拾ったり、写真に撮ったりしてる著者を考えると、なんやら楽しそう。とりあえず、ヤシの実やモダマが落ちていたら拾ってこよう。
お薦め度:★★ 対象:砂浜に行く機会がある人、大学生以上