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本の紹介「イカは大食らい」
「イカは大食らい」吉野雄輔著、福音館書店たくさんのふしぎ2020年9月号、700円+税
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【和田岳 20210221】【公開用】
●「イカは大食らい」吉野雄輔著、福音館書店たくさんのふしぎ2020年9月号房
伊豆の海を舞台に、青い海を泳ぐ透明なイカ、暗い海を泳ぐカラフルなイカ。その美しさ、捕食シーン、繁殖の様子が、画像で次々と紹介される。
アオリイカ、コウイカ、ハナイカがよく出てくるが、ヒメイカ、コブシメ、ダンゴイカ、ヤツデイカなど、さまざまなイカが登場。トウガタイカのおもちゃのような美しさ、サメハダホオヅキイカの不思議な形など。イカの多様性も楽しめる。
全体的なまとまりはあまりない気がするけど、イカの美しさと面白さは伝わってくる。イカが気になる存在になるのは請け合い。でも、どうしてこんなタイトルにしたのはよく分からない。
お薦め度:★★★ 対象:生きたイカをあまり見たことない人
【冨永則子 20210202】
●「イカは大食らい」吉野雄輔著、福音館書店たくさんのふしぎ2020年9月号房
イカは目がよく、魚のように速く泳ぎ、色を変え、腕には獲物を逃さないように沢山の吸盤を持つ優れたハンター。タコや貝と同じ仲間の軟体動物だが、貝などに比べると色々な能力を持つほどに進化しているので海の霊長類とも呼ばれる。生まれた時は、わずか1グラム程なのに、一年後には5,000倍の5キログラムにも成長する。そこまで大きくなるためには沢山食べなければならないから、時には自分の身体と同じぐらいの大きな獲物を捕らえることもある。水族館や生け簀で、生きたイカを見たことはあるが、卵から生まれたばかりの姿や様々に色を変える姿は、なかなか目にすることはできないので貴重な生体写真だと思う。ただ、タイトルに「大食らい」とあるが獲物を捕らえ食べている場面は全体で3見開きしかない。それよりも、イカがどのように生まれ成長するか、そして、イカの身体の色を変える不思議さと美しさが語られている。そちらをテーマにしたタイトルの方が良いのではないかと思った。それと、本文の表現がどうもひっかかる。「イカの体は前から…」とか「目の後ろの部分が…」とか「目の下の…」とか、どこを基準にして“前”とか“後ろ”と言っているのか分かりにくいし、「宇宙生物を見たことはないのですが、宇宙生物みたいだなと思いました」って何とも表現が回りくどい。
お薦め度:★★★ 対象:イカ刺しなら糸造りよねぇって人に
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