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本の紹介「生きもの地図が語る街の自然」
「生きもの地図が語る街の自然」浜口哲一著、岩波書店、1998年10月、ISBN4-00-006661-7、1900円+税
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【六車恭子 20031218】【公開用】
●「生きもの地図が語る街の自然」浜口哲一著、岩波書店
この本は人口25万の中規模の都市、平塚で市民を巻き込んで行われた生きもの地図の報告書のような体裁だ。
20年かけて行われたこの街の自然の変遷が博物館には生きもの地図として蓄積され、参加した市民たちには生きもへの興味が深まり、自分の暮らす街の自然環境を知るきっかけとなったであろう。「自然史の謎をのぞくための窓は私たちのすぐ身近な所でも開けることができる。」をモットーに活躍する著者のノウハウを伝える優れた普及書だ。市民にはわが町を愛するヒントが、自然への扉を開けた人には地図作りから始る次のステップアップが望めそうだ。
お薦め度:★★★ 対象:生きものが嫌いでない人ならだれでも
【瀧端真理子 20030804】
●「生きもの地図が語る街の自然」浜口哲一著、岩波書店
平塚市という行政域限定で、多くの市民の参加・協力を得てまとめた生きもの地図を紹介する本。タンポポ、帰化植物、セミ、アシナガバチ、クツワムシ、カエル、淡水魚、ツバメが取り上げられている。生きもの地図づくりのメリットが最終章にまとめられているが、調査に携わった人々の姿は不思議と透明に消されている。都市化の流れの中で生きものの生息域の変化を伝えるのが主眼の本であろうが、個々の章の記述は、探究心をくすぐるには物足りない。生きもの地図づくりに携わった人々がその後どのように自然とのつきあいを深めていくのかを描いてほしい、と思うのは無いものねだりだろうか。
お薦め度:★ 対象:参加型調査に興味のある人
【和田岳 20031024】【HPのみ公開用】
●「生きもの地図が語る街の自然」浜口哲一著、岩波書店
著者は神奈川県の平塚市博物館の学芸員。平塚市で実際に市民参加でおこなった生き物の分布調査の結果が紹介されます。同時に、大勢で身近な生き物の分布調査をするときのノウハウも紹介されているので、他の地域で同様の調査をするときに大いに参考になります。調査してる生き物は、タンポポ、帰化植物、セミ、アシナガバチ、直翅類、カエル、淡水魚、鳥といろいろ。自由研究にも役立ちそう。
お薦め度:★★ 対象:みじかに生きもの調査をしてみたい人
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