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本の紹介「犬のココロをよむ」

「犬のココロをよむ 伴侶動物学からわかること」菊水健史・永澤美保著、岩波科学ライブラリー、2012年11月、ISBN978-4-00-029599-4、1200円+税


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【釋智恵子 20130628】【公開用】
●「犬のココロをよむ」菊水健史・永澤美保著、岩波科学ライブラリー

 イヌを飼っている人はみんな思っているのではないだろうか。自分んちのイヌはどこのイヌよりもかわいいと。毎日顔を合わすからという愛着はもちろん、ココロがつながっていると感じる瞬間に、ああコイツはかわいいなあと感じる。伴侶として長く人と関わって来たそんなイヌのココロを、実験を通したイヌの行動や視線などによって解き明かす。実験は、試せそうな簡単なものばかり。飼育本ではない、こういうタイプの本を読んだことがなかったので、「なるほど」が多かった。そういえば、ヒトがいるときには、自分で開けられる戸の前で、開けられないふりしてじっと顔を見て催促することがあったなあ。あれは、交互凝視というのかなどと、日頃のイヌの行動・表情を思い出し、にんまりできた。

 お薦め度:★★★  対象:動物が好きな人に

【岩坪幸子 20130627】
●「犬のココロをよむ」菊水健史・永澤美保著、岩波科学ライブラリー

 題名は「犬のココロをよむ」とあるが、この本を読むと犬の能力の高さ、それが古代から人間と共に生きてきたことによる進化だと知らされる。まずそのことに驚かされる。進化というのは人間が自分たちの生活により適した能力を持つ犬を選抜し、多くの犬種を作り出してきたということだがそれだけではない。長い間の共同生活の中で人も犬も相手の視線を読み取り意図を知ろうとするのに適した目、すなわち白目と黒目がはっきりしている目に進化してきたということが人と犬の共生を可能にした背景としてあるだろうと言っている。その上で犬の様々な能力(嗅覚・動体視力・記憶力・社会性・コミュニケーション能力など)の高さと人への従順、飼い主への愛着など犬の特性が語られている。犬の飼い方についてのアドバイスは犬の身になって語られているので納得だった。

 お薦め度:★★★  対象:動物が好きな人に

【六車恭子 20130628】
●「犬のココロをよむ」菊水健史・永澤美保著、岩波科学ライブラリー

 犬を語った本は数知れない。密かに読者はそのランク付けをする。この本は伴侶動物学を専攻する研究者からの報告である。これから犬を飼いたい人はこの精巧な犬に関する資料に目を通す方がいい。オオカミにその起源を持つ彼らは幼形成熟(ネオテー)であるゆえに遊び心に富み、尽きない好奇心でわれわれを楽しませてくれるだろう。「犬のココロをよむ」はさしづめ「犬は人のココロをよむ達人」であるいいでもあろうか。人の幸せ感を計るオキシトシンが犬と戯れることで増加すると言う、そんな関係をきずくためにも伴侶動物学が果たす役割は大きい。

 お薦め度:★★  対象:犬を飼いたい人

【和田岳 20130627】
●「犬のココロをよむ」菊水健史・永澤美保著、岩波科学ライブラリー

 麻布大学獣医学部のイヌの行動研究者が、イヌの能力や心理について、研究成果をベースに解説した一冊。単なるイヌ好きの主観に基づいた主張ではなく、実験的に何が明らかになってきたかが示される。
 イヌを飼っていれば知っている事ではあるけど、イヌは飼い主の顔/表情/視線を読みまくっている事が紹介される。イヌが助けて、と飼い主を振り向く。交互凝視というらしい。ごく普通にありそうな風景だけど、そこにそんなに高度な心的プロセスを伴っているとは知らなかった。あくびがうつる、不平等が嫌い。面白い話題がいっぱい。そして、改めてイヌの心的能力の高さ、そして飼い主との結びつきの強さに驚く。
 この本を読んでも、イヌが何を考えているかは分からないけど、イヌがどんな気持ちになるかは少し分かりそう。ネコ好きとしては、じゃあネコはどうなんだ?と思わなくもない。

 お薦め度:★★★★  対象:イヌが気になる人

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