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本の紹介「石と人間の歴史」
「石と人間の歴史 地の恵みと文化」蟹澤聰史著、中公新書、ISBN978-4-12-102081-9、2010年11月、820円+税
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【村山涼二 20110419】【公開用】
●「石と人間の歴史」蟹澤聰史著、中公新書
石と人間のつきあいは250万年前に遡る。最初の人類ホモ・ハピリスが石を打ち砕き狩猟を行ったと言われている。まず石についての基礎知識を解説している。地質学者である著者が世界各地を旅行し、世界各地の地質図を示し地質学的説明と共に文化を語り、建築・彫刻に使われている岩石の来歴を語り、土木・建築の工法をも解説している。ゲーテ、宮沢賢治、シューベルトの魔笛も登場する。古い北欧の地質・鉱物資源・景観、イギリス(イングランド・スコットランドの紀元前4000年~1000年代の巨石文化、環状列石・ストーンヘンジ・トリリトン)、地中海沿岸のギリシャ・イタリアの建造物・水道橋など、中央ヨーロッパの石文化(チェコ・プラハのカレル橋、ドイツ ドレスデン聖母教会)、エジプト(ピラミッド スフィンクス)、アジア(モンゴル・カンボジア・中国)、活動帯の石(トルコ、イタリア、アメリカ)。日本の石文化(城の石垣、野の仏、磨崖仏等)や隕石など、石に関するすべてに触れている。世界地図、美術の歴史(図鑑)、岩石図鑑を見ながら読むと一層楽しめる。
お薦め度:★★★★ 対象:科学も文化も愛する方へ
【中条武司 20111027】
●「石と人間の歴史」蟹澤聰史著、中公新書
世界には石なくしては成り立たなかった文化がたくさんある。ピラミッドしかり、地中海文化しかり、万里の長城しかり。著者がまわった世界中の石にまつわる文化や建造物を、その地域のテクトニクスと絡めながら、なぜその地域にその石の文化があるのかを語っている。
しかし、中身の展開が早く、普通に難しい岩石名や地質学専門用語がばんばん出てくるので、あまり詳しくない人には何が書いているのかさっぱりわからないのでは。地域を絞って、もうちょっとテーマを絞ってもよかったのでは。
お薦め度:★★ 対象:海外旅行のお供に
【西村寿雄 20110420】
●「石と人間の歴史」蟹澤聰史著、中公新書
250万年前の人類ホモ・ハビリスの時代から、石と共にさまざまな文化をはぐくんできた人類の足跡が世界各地に点在する。本書では、石の特徴を生かした数々の建築物、庭園、彫刻、石仏、環状列石など、じつに多彩な人類の〈石の文化遺産〉が紹介されている。初めにある「石についての基礎知識」もわかりやすい。この本を読み進めていると、まるで石遺産の世界散歩をしているようだ。石をたくみに利用してきた人類の叡智がこの一冊に結集されている。
お薦め度:★★★★ 対象:地学に夢を求めている人(高校生以上)
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