友の会読書サークルBooks

本の紹介「じゃがいものふるさと」

「じゃがいものふるさと」山本紀夫著、福音館書店「たくさんのふしぎ」2008年2月号、667円+税


【注意】本の紹介は、それぞれの紹介者が自らの判断によって行なっています。他の人からの意見を取り入れて、変更をする場合もありますが、あくまでも紹介文は紹介者個人の著作物であり、サークル全体や友の会、あるいは博物館の意見ではないことをお断りしておきます。
 もし紹介文についてご意見などありましたら、運営責任者の一人である和田(wadat@omnh.jp)までご連絡下さい。

[トップページ][本の紹介][会合の記録]


【西村寿雄 20080626】【公開用】
●「じゃがいものふるさと」山本紀夫著、福音館書店「たくさんのふしぎ」2008年2月号

 今や各国で食料としてたくさん利用されているじゃがいもは、ヨーロッパをはじめヒマラヤ高地やアフリカのエチオピア高原などの高冷地でもたくさん栽培されている。そのひみつはどこにあるのだろうか。
 じゃがいものふる里は、標高4000mもあるアンデス・ティティカカ湖の周辺だという。ここには今も野生のじゃがいもが育っている。しかし、そのままでは食べられない。食料となるように長年改良を加えてきたアンデスの人々の努力の結果今のジャガイモがある。
 後半では、じゃがいもの歴史をはぐくんできたアンデスのじゃがいも生産の様子がふんだんに写し出されている。アンデス高地のすばらしい景色と共に、じゃがいも栽培を中心とした人々の姿がたくましく描き出されている。

 お薦め度:★★★  対象:地理好きの小学5年以上

【加納康嗣 20080612】
●「じゃがいものふるさと」山本紀夫著、福音館書店「たくさんのふしぎ」2008年2月号

 アンデスの毒のある高山植物だったジャガイモ原種が永年の品種改良を経て、世界の最重要な栽培植物の一つとして多くの人々を養っている。インカ文明をはじめとする南アメリカ文明のたまものである。現地には古い形質を持った多様なジャガイモが今も栽培されている。高地寒冷地での乾燥によりチューニョに加工され、保存食として文明を支えてきたのである。スペインに滅ぼされた文明の贈り物に感謝、感謝。

 お薦め度:★★★  対象:地理好きの小学5年以上

【田中久美子 20080627】
●「じゃがいものふるさと」山本紀夫著、福音館書店「たくさんのふしぎ」2008年2月号

 アンデスに行ってじゃがいもに興味を持った著者が、2年間現地に移り住んで密着取材しただけあって、人々の暮らしが間近に感じられる。水分といっしょに毒も絞り出す乾燥イモ作りは、1年を通してじゃがいもを利用するための生活の知恵。色とりどりのジャガイモ。のどかなアンデスの人々を見てると私も行ってみたくなります。

 お薦め度:★★★  対象:フライドポテトや肉ジャガだけがじゃがいもだと思っている人に

【和田岳 20080627】
●「じゃがいものふるさと」山本紀夫著、福音館書店「たくさんのふしぎ」2008年2月号

 アンデスのジャガイモは、色も形もいろいろ。アンデスの人たちは毎食のようにジャガイモを食べて暮らしているらしい。アンデスの乾燥ジャガイモ、チューニョ。乾期に1週間ほど外に並べておく。夜凍って、昼解けるを繰り返す。やがて、押したら汁が飛び出すようになる。そうなったら足で踏んで、水分を出し、皮をむいて、乾燥させて、できあがり。チューニョの入ってないスープは、愛のない人生のようなものらしい。うまいのかな?

 お薦め度:★★★  対象:ジャガイモ好き!

[トップページ][本の紹介][会合の記録]