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本の紹介「人類の起源」
「人類の起源 古代DNAが語るホモ・サピエンスの「大いなる旅」」篠田謙一著、中公新書、2022年2月、ISBN978-4-12-102683-5、960円+税
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【中条武司 20230815】【公開用】
●「人類の起源」篠田謙一著、中公新書
2022年のノーベル生理学・医学賞の受賞で俄然脚光を浴びた古代DNA。ホモ・サピエンスとネアンデルタール人や謎のデニソワ人との交雑、ホモ・サピエンスの世界中への拡散、言語や文化の成立、そして日本人の起源などが、古代および現在の人類のゲノム解析によって明らかになる。さらに私たちが普段使う「人種」や「民族」といった言葉が意味をなさない事もわかってくる。まだ古代DNA解析の数が少ないことから全てを鵜呑みにする事はできないだろうけど、人類学の今後を牽引するひとつの方法であることは間違いないだろう。
お薦め度:★★★ 対象:ノーベル賞を取った古代DNAで何がわかったのという人
【和田岳 20230818】
●「人類の起源」篠田謙一著、中公新書
DNAを調べてみたら現生人類とネアンデルタール人が交雑していたことが明らかになった。という話は、2022年のノーベル生理学・医学賞でかなり知られるようになった。古人骨のDNA研究によって、人類の進化についての理解は大きく進み、また大きく変化した。その最新の状況が判る一冊。
今までに読むことのできた最古のヒトゲノムは43万年前のもの。その結果明らかになってきたホモ・サピエンスとネアンデルタール人、そして謎のデニソワ人の間の交雑。アフリカで誕生したホモ・サピエンスが6〜5万年前にアフリカを出て、5〜4万年前にはヨーロッパから東アジアまで広く拡がったこと。2万4000年前のアメリカ大陸への進出。今まで議論されてきたことが、古人骨のヒトゲノム研究によって次々と明らかになってきた。そしてまだまだ残る謎。
新たな成果によって、この分野は次々と書き換えられていく。この本の賞味期限も恐らく数年。読むならお早めに。
お薦め度:★★★ 対象:人類の進化、あるいはアフリカから現生人類が世界に拡がった過程が知りたい人
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