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本の紹介「地震の日本史」

「地震の日本史 大地は何を語るのか」寒川旭著、中公新書、2007年11月、ISBN978-4-12-101922-6 、800円+税


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【西村寿雄 20081224】【公開用】
●「地震の日本史」寒川旭著、中公新書

 縄文時代から現代に至るまでの地震の記録を細かく集大成している。縄文〜古墳時代は、著者の専門である遺跡での「地震痕跡」の記録を読み解く無味乾燥な記述であるが、飛鳥、平安の時代からは書物や古文書の資料をもとに、当時の被災の実際が臨場感を持って紹介されている。こんなにも地震があったのかと改めて思い知らされる。
 海溝型地震での津波の被害については、863年の陸奥国地震の時からその恐しさが各所で記載されている。「稲むらの火」以前、以後も、津波による被害が後をたたない教訓をこの本から生かしたい。
 少し読みにくい記述もあるが、「記録」だけ拾い読みすると興味深く読める。

 お薦め度:★★★  対象:過去の地震記録と被害実体を知りたい人

【中条武司 20081223】
●「地震の日本史」寒川旭著、中公新書

 地震の痕跡は遺跡、古文書、その他記録媒体に残されている。この過去からの地震を列挙してみると、日本は昔からなんと多くの地震を受けてきた事かというのがわかる。その地震の記録を時代に沿って紹介していこう、というのが著者の狙いのようだ。
 しかし、1つの地震に対する記述は短く、すぐに別の地震の紹介になる。物語性はなく、どの地震の話をしているのかすぐにわからなくなる。過去の地震カタログとしては役に立つが、地震の知識を身につけるにはどうかなあ。

 お薦め度:★★  対象:日本を襲った過去の地震がいくつあるか知りたい人

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