カエルのことが好きで、どんな種類がいるのかを知りたい人には良いかもしれません。
まずよく知っているはずなのに、確かには分かっていない両生類。カエルについて、その特徴、多様性を概説し、IIで著者の経験談を交えながら、日本のカエルを説明し、IIIで環境、かたち、繁殖、色々な面から世界の変わったカエルをしょうかいしています。
そして最後にカエルがいかに環境に影響をうけやすいものであるかについて論じ、その繁栄状態が生態環境を忠実に反映しているとして、私たちに警告を発しています。
お薦め度:★★★ 対象:高校生以上
身近な日本のカエルたちをはじめ、日本産とは異なる変わった生態を持つ、世界のカエルたちの紹介をしている。一般書としてのおもしろみにはやや欠けるが、著者はカエルの分類学者であるため、緑色のトノサマガエルやダルマガエルが、実はアカガエル科であることなど、カエルの系統分類や生物地理に関しては、わくわくする話題が盛り込まれている。
お薦め度:★★ 対象:分類学・生物地理学に興味のある生き物好きの人
本当に隣人のごとく、ごくごく身近にいる生き物なのに、この本を読むまで知らなかったことが、こーんなにいっぱいあったのかと思う程、カエルのあらゆる情報が詰まっている。進化の過程から種類、生態、そしてカエルのこれから先をも考えさせられる。最強の生物毒素を持つのがカエルだというのも”知らなかった!”両生類というのは水陸両用という意味ではなく、陸環境と水環境の両方がそろわないと生きていけない生き物だという事も改めて認識した。よって環境悪化の影響も即座に受け易い。カエルを通して環境問題も考えさせられる。カエル好きにはたまらん一冊です。
お薦め度: 対象:
日本のカエル研究の第一人者の著者が、カエルのあらゆる側面を紹介した本。
第1章では、両生類の進化とカエルの特徴を解説。第2章では日本のカエルを、第3章では世界のカエルを、それぞれ紹介。最後の第4章では、世界のカエルの減少の問題を取り上げている。
残念ながら全体に構成が散漫で、個別の話題の掘り下げが浅いのが惜しまれる。
お薦め度:★★ 対象:カエルに興味のある人、高校生以上