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本の紹介「科学の目 科学のこころ」

「科学の目 科学のこころ」 長谷川眞理子著、岩波新書、1999年7月、ISBN978-4-00-430623-8、740円+税


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【和田岳 20120227】【公開用】
●「科学の目 科学のこころ」 長谷川眞理子著、岩波新書

 雑誌『科学』に1996年から1999年にかけて連載したエッセイをまとめたもの。10年ちょっと前に書かれたエッセイは、いま読むと少し古い。でも、本質的な部分は何も変わらない。
 科学の専門家でない人が、科学とどうつきあうべきか、科学リテラシーはどうあるべきか。というのが、テーマ。阪神淡路大震災にふれている部分は、今なら東日本大震災に変わるんだろう。東日本大震災の後、とくに原発事故を受けて、ここに書かれている科学リテラシーの問題はより一層重要になった気がする。いま書いたらどうなるのかな?と思ったりする。

 お薦め度:★★★  対象:科学に興味はあるが、科学者でない人

【西村寿雄 20120426】
●「科学の目 科学のこころ」 長谷川眞理子著、岩波新書

 生態学者の著者が書き綴った科学の随筆集である。特に科学と人間や社会について著者が感じたことが40あまりの短編としてまとめられている。氈u生物の不思議をさぐる」にある「コンコルドの誤り」には、「過去における投資の大きさこそが将来の行動を決める」とある。まさに今の原発再稼働の動きとも通じる。「科学・人間・社会」にある「脳が脳の働きを理解する」では、科学は常識に反するとある。逆に言えば常識を破るのが科学である。。「科学史の舞台裏」にある「巨人の肩の上で」には、科学という創造が巨人の肩の上にのってなされてきたと書かれている。その他、示唆に富むエッセイがちりばめられている。

 お薦め度:★★★  対象:自然科学を学ぶ学生

【六車恭子 20120427】
●「科学の目 科学のこころ」 長谷川眞理子著、岩波新書

 岩波書店の雑誌「科学」に1996年から1999年までの3年間掲載されたエッセイが本書である。長年研究活動でつちかった「科学の目 科学のこころ」がここに集約されて納められているようだ。本書の最終章に収録されている「牧場の地面に降りた虹」などは彼女の科学する姿勢が遺憾なく発揮された、解明された後日譚つきという章になっている。
 著者のサイエンティフィッ・リテラシーのフットワークの広さと深さをうかがい知る好著である。

 お薦め度:★★★  対象:身の回りの不思議を体験できる人ならだれでも

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