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本の紹介「怪虫ざんまい」

「怪虫ざんまい 昆虫学者は今日も挙動不審」小松貴著、新潮社、2022年4月、ISBN978-4-10-351792-4、1500円+税


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【萩野哲 20220601】【公開用】
●「怪虫ざんまい」小松貴著、新潮社

 今回も“怪”昆虫学者が吠える。ネジレバネ、ミズスマシ、クロシジミ、プラナリア、ガロアムシ、メクラチビゴミムシ ・・・。コロナ・エフェクトで何年も前から計画していた遠方への昆虫観察を遂行できない欲求不満を、過去の信州時代の回想や近くの公園や井戸漕ぎ(もちろん採集方法のひとつ)などで紛らわし、より過激な言葉で激白する(雲古の同義語が何十回も!)。そして、本書のハイライトはゴミムシ御三家探索の第Y章。著者は神になるのか、死ぬのか、それとも病気が治るのだろうか? 本書に紹介されている、一般人は名も知らぬ小さな虫たちは、絶滅危惧種に指定されているとはいえ、トキなどの著名な動物と異なり、保護もされず生態も不明のまま消滅しつつあるのだ。

 お薦め度:★★★  対象:著者の目標である「絶滅危惧昆虫生態 図鑑」作成に少しでも協力したい人
【和田岳 20220615】
●「怪虫ざんまい」小松貴著、新潮社

 裏山の奇人が、2020年〜2021年夏にかけて書いた連載をまとめた一冊。ちょうどコロナ禍の期間で、海外はもとより国内でも遠方に昆虫採集にいけない。仕方なく、家から自転車や原付で日帰りできる範囲で昆虫採集に精を出す。井戸水からヨコエビやミズダニ、そして珍種のウズムシを見つけ。北関東の田んぼで絶滅危惧なゴミムシを見つける。
 でも、本のかなりの部分が、昆虫採集に遠征できない恨み辛みが繰り返し書き連ねられている。ちょっと多すぎ。

 お薦め度:★★★  対象:身近な井戸水の中に珍しい虫がいることを 知らない人
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