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本の紹介「カケスの森」
「森の新聞11 カケスの森」中村浩志著、フレーベル館、1998年1月、ISBN4-577-01849-7、1500円+税
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【西村寿雄 20050514】【公開用】
●「カケスの森」中村浩志著、フレーベル館
カケスは里山の再生に大きく貢献している。「カケスがどうして?」と思われる人はぜひ、この本を手に取ってみられるといい。
カケスは、ミズナラなどの果実(どんぐり)を食べるだけでなしに多くを土の中に隠す習性がある。著者は信州の実験センターで、カケスの行動を細かく調査する。カケスの〈賢い行動〉が見えてくる。さすが〈カケスはカラスの仲間〉と再認識させられる。最後に、〈どんぐりの森〉が維持されることが、カケスや野生動物、ひいては人間にとっても大切であることを著者は訴えている。
写真が豊富で文章もやさしい。
お薦め度:★★★ 対象:小学校中学年から
【早川友康 20050628】
●「カケスの森」中村浩志著、フレーベル館
ドングリの森とカケスを中心としたヤマガラやリスなどの動物たちの関係が美しい写真とともに紹介されています。カケスがミズナラ(ドングリの木)の森から餌としてドングリをもらい別の場所に隠し、その一部は食べられずに残り発芽してミズナラの森の拡大を助けているという動物と木のもちつもたれつの関係が分かりやすく説明されています。
お薦め度:★★★ 対象:鳥に興味のある人、植物と動物の関係に興味のある人
【六車恭子 20041003】
●「カケスの森」中村浩志著、フレーベル館
戸隠高原にひろがるミズナラやコナラのの森は野生の動物たちや人々に恵みをもたらすドングリの森です。なんといってもこの森の立て役者はカケス。その反対側にある菅平高原のアカマツ林に毎年たくさん、ミズナラのめばえがあり、数十年後にはミズナラの森に変わるだろうといわれています。このドングリの運び手はカケスであり、ドングリの森こそカケスが作った森だという驚きの発見に導かれてゆきます。人の暮らしとともにドングリの森は維持されていた!その里山でカケスはドングリを貯えつつ、貢献して来たのだ。木登り名人の著者ならではの究極のドングリ狩り(とり尽くしたのだ!)にはカケスもびっくらこいただろう。そして解きあかされた、カケスの生態を伝える優れた普及書だ。
お薦め度:★★★★ 対象:一度でもドングリ遊びをした人ならだれでも
【和田岳 20041217】
●「カケスの森」中村浩志著、フレーベル館
長野県の菅平で行われたカケスによるドングリの貯食行動に関する研究の紹介を軸に、ドングリを食べる動物とドングリの関係が紹介されます。カケスがドングリを後で食べようと隠し、食べ残されたドングリが芽を出す。そうしたカケスの貯食と物忘れが、ドングリの森を維持するのに役立っているというお話。
ドングリ以外にも、リスやクマなどドングリを食べる動物が登場。さらには北アメリカにすむドングリキツツキまで紹介されます(このキツツキの貯食の仕方がおもしろい!)。不満があるとしたら、雰囲気作りにしか役に立っていない写真が多くて、内容が薄くなっていること。
お薦め度:★★ 対象:カケスとドングリの関係って何?って思った人
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