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本の紹介「神々の花園」

「神々の花園」澤野新一朗著、福音館書店たくさんのふしぎ2015年11月号、667円+税


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【和田岳 20160517】【公開用】
●「神々の花園」澤野新一朗著、福音館書店たくさんのふしぎ2015年11月号

 南アフリカ西部にあるナマクアランドは、一年の大部分は乾燥しきった砂漠だけど、春の短い間だけ一面の花畑が現れ、4000種以上の色とりどりの花が咲き誇る。美しい花園の写真がとても綺麗。それだけではなく、同じ場所を撮影して、荒涼とした砂漠が花園に変わる様子、同じ場所であっても年によって色の配置が違ってる、車のわだちが違った花で縁取られる。といったように、美しいだけでなく、花園のさまざまな側面も見せてくれる。
 とまあ花園の写真は素晴らしいのだけど、最後の方の6ページで花に来る虫や、花園にやってくる動物が間違いだらけなのが残念。「ヨウレイ類のハーテビーストのなかま」(レイヨウ!)、ハイラックスに「イワネズミ」(それを言うならイワダヌキ)、アマサギ1羽+クロトキ6羽の群れの説明が「…サギの群れ」、花園にくる動物として「シカのなかまなど」(アフリカ大陸南部にシカはいない…)。ここまでとてもよかったのに、これで台無し。間違いだらけの本は、子どもに薦められない。とても残念。

 お薦め度:★  対象:動物の説明の間違いに気付く人のみ
【西村寿雄 20160619】
●「神々の花園」澤野新一朗著、福音館書店たくさんのふしぎ2015年11月号

 表紙を見るだけでパッと目に飛び込んでくるお花畑、背表紙を広げるとさらに広々としたカラフルな光景が展開する。これが人工の花畑でなく自然が作り出す舞台とか。南アフリカのナマクアランドにある放牧場とのことである。ちょうど日本とは正反対の気候区にある。土地は岩石砂漠と呼ばれている乾燥地、一年のうちのほとんどは緑の片鱗もない。それが、8月の終わりになると一斉にジュータンを敷き詰めたように花を広げる。しかも、ほんの数日から数週間の命とのこと。こんな環境でもしたたかに生きている生き物たちも紹介されている。世界にある多様な地球が実感できる。

 お薦め度:★★★  対象:海外の景観を楽しみたい人
【六車恭子 20160624】
●「神々の花園」澤野新一朗著、福音館書店たくさんのふしぎ2015年11月号

 ここは南アフリカの西岸、ナマクアランド地方、ニールさんの牧場の前庭で毎年繰り広げられる「神々の楽園」と呼ぶにふさわしい奇跡の花園の写真集です。5月に乾期が終り、6、7月は大雨が降り続き、8月の終わりになると、一斉に大地に眠っていた球根が花開くという! 8、9月の春、4000種以上の花がいちどきに咲くのだ!短い春を謳歌する昆虫たちの企みも見逃せない。南アフリカ最大の野生の楽園に魅せられた写真家の熱意がカラフルな奇跡のアングルをうみだしており、楽しませてくれる!

 お薦め度:★★★  対象:世界の不思議にふれてみたい人
【森住奈穂 20160624】
●「神々の花園」澤野新一朗著、福音館書店たくさんのふしぎ2015年11月号

 見渡す限り地平線までずっと、色とりどりのじゅうたんのように花園が広がっている。人間がつくった花畑ではなく、自然に生れるものだから「神々の花園」と呼ばれる。夏は気温が50度近くになるという南アフリカ共和国のナマクアランド。岩石砂漠が広がる乾いた土の下には、春を待つたくさんの種や球根が眠っている。雨や気温の変化によって、咲く花の種類や場所が決まるため、その年になってみないとどんな花園がどこにあらわれるのか、誰にもわからない。地球上の色すべてが集まったと感じられるほど豊かな色彩の光景は、美しいの一言。

 お薦め度:★★★  対象:遠い南アフリカの風景をのぞいてみたいひと
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