動物の学校にはじめてやってきた、ちいさなカモノハシ君。ミルクは飲むけれど、くちばしもあるカモノハシ君は、これまでの動物学校のグループ分けにすんなり入っていくことが出来ません。みなが目を丸くしている間に、カモノハシ君は教室をそっと出ていきます。「うまれつきのことだけで、なんでもきめるのは、ふこうへいじゃないの?」動物の分類の話にことよせて、作者ステアさんが語りたかったのは、人権教育だったみたいです。動物の絵がきれいなだけに、ストーリー構成や最後の解説部分にもっと工夫がほしい残念な絵本です。
お薦め度:★ 対象:動物の絵を楽しみたい人
いろんな動物たちが集まる学校に、新入生のカモノハシくんがやってきます。そこで、グループ分けをしようとするのですが、くちばしはあるけど羽はないカモノハシくんをどのグループに入れればいいの? と悩むことになります。
とりあえずは、分類に関する絵本のようです。絵本の最後には2ページを費やして「生きものの分類」という絵のない解説まであります。しかし、話は思わぬ展開をします。結局、形態でのグループ分けをやめて、みんなの多様な能力を評価しましょうと終わるのです。副題に「生きものの分類学入門」とあるのに、分類を放棄するという意表をついた結論になる驚きの一冊です。
お薦め度:★ 対象:分類学は不要だと思う人に