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本の紹介「カモノハシくんはどこ?」

「カモノハシくんはどこ?」ウィリ−・グラサウア絵、ジェラ−ル・ステア著、福音館書店、ISBN4-8340-1836-9、1500円+税


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【瀧端真理子 20021105】
●「カモノハシくんはどこ?」ウィリ−・グラサウア絵、ジェラ−ル・ステア著、福音館書店

 動物の学校にはじめてやってきた、ちいさなカモノハシ君。ミルクは飲むけれど、くちばしもあるカモノハシ君は、これまでの動物学校のグループ分けにすんなり入っていくことが出来ません。みなが目を丸くしている間に、カモノハシ君は教室をそっと出ていきます。「うまれつきのことだけで、なんでもきめるのは、ふこうへいじゃないの?」動物の分類の話にことよせて、作者ステアさんが語りたかったのは、人権教育だったみたいです。動物の絵がきれいなだけに、ストーリー構成や最後の解説部分にもっと工夫がほしい残念な絵本です。
 
 お薦め度:★  対象:動物の絵を楽しみたい人


【和田岳 20021219】
●「カモノハシくんはどこ?」ウィリ−・グラサウア絵、ジェラ−ル・ステア著、福音館書店

 いろんな動物たちが集まる学校に、新入生のカモノハシくんがやってきます。そこで、グループ分けをしようとするのですが、くちばしはあるけど羽はないカモノハシくんをどのグループに入れればいいの? と悩むことになります。
 とりあえずは、分類に関する絵本のようです。絵本の最後には2ページを費やして「生きものの分類」という絵のない解説まであります。しかし、話は思わぬ展開をします。結局、形態でのグループ分けをやめて、みんなの多様な能力を評価しましょうと終わるのです。副題に「生きものの分類学入門」とあるのに、分類を放棄するという意表をついた結論になる驚きの一冊です。
 
 お薦め度:★  対象:分類学は不要だと思う人に


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