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本の紹介「カンブリア爆発の謎」

「カンブリア爆発の謎 チェンジャンモンスターが残した進化の足跡」宇佐見義之著、技術評論社、2008年4月、ISBN978-4-7741-3417-8、1580円+税


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【中条武司 20090227】
●「カンブリア爆発の謎」宇佐見義之著、技術評論社

 カンブリア爆発といえば、現在の古生物学ではホットな話題。現在の体系では分類できないような変な生き物が出現し、また現在の生物の萌芽となるようなものが現れた時期でもある。著者は中国・澄江から産出する化石を中心に、エディアカラ動物群の生き物を紹介しており、数年前では考えられないほどエディアカラーカンブリア紀の海も豊かだったことがわかる。
 とはいえ、この本は結局「カンブリア爆発って何?」という疑問には答えていないような。単にカンブリア紀の不思議な生き物の紹介をしているだけの印象が否めない。

 お薦め度:★★  対象:古生物好きな人
【萩野哲 20080625】
●「カンブリア爆発の謎」宇佐見義之著、技術評論社

 S.J.グールドの「ワンダフル・ライフ」に端を発したカンブリア爆発関連の書籍はかなりの数に達するに違いない。本書はそれら過去の著作で触れられなかった発見小史や、中国の澄江(チェンジャン)の化石から得られた最新知識を開陳する。いろんな種類のアノマロカリスがいることや、かつて先カンブリア代と呼ばれた地質時代が、現在ではエディアカラ紀と呼ばれていることなどが新しい知識として追加された。しかし、二番煎じ感は払拭できず、「ワンダフル・ライフ」を読んだときのような新鮮な興奮は読後感として残らなかった。

 お薦め度:★★★  対象:カンブリア爆発をより詳しく知りたい人

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