カラスのすべてを扱った本。とくに、カラスの興味深い行動や生態が数多く紹介されている。タイトルは中味とあまり関係ない。
東京のカラスを中心に、集団ねぐら、行動圏、営巣、食性、貯食といった行動・生態的な話題から、人との交流、害鳥としてのカラス、文学や神話の中のカラスまで、話題は多岐に渡る。しかし、全体にはあまり脈絡がなく、著者の主観的なカラスの理解にイライラする部分も少なくない。
描かれているのは、おもに十数年前の東京のカラス。この本を読んでから、現在の大阪のカラスを改めて見ると、さまざまな発見ができるかも。
お薦め度:★★ 対象:カラスの行動に興味を持っている人
‘都市鳥研究会’を主宰する著者が、東京を中心に主として都市部で棲息しているカラスの生態を、積年の観察記録に基づいて紹介している。第1、2章では都市部に棲むカラスの、残飯に依存する潤沢な餌資源の現状と、夜の集団塒調査から推測された都心のカラスの数と、その都市部進出に伴う他種の都市鳥への影響を紹介してる。第3章以降では、カラスに発信機を装着して調査を行った際の苦心談とその記録、都市環境ならではのカラスの繁殖方法、‘かしこい’と言われるゆえんとなる、カラスの様々な行動、そして古くから人社会に密着してきたカラスと人との交友、駆け引き、文化へのかかわりまでを描く。全体に生き生きとした文章で気軽に読める。
お薦め度:★★ 対象:街に棲む鳥に興味のある人
カラスの生態や行動をあれこれ集めた知識集。本全体のモチーフは、日中、都心の公園で採餌している野鳥たちが、営巣場所や塒場所として人通りの多い繁華街を選択しているのは、カラスの襲撃を恐れるからだ、という発見である。また、人間に憎悪されやすいカラスは、死体や排泄物を食べる自然界の掃除屋であり、ワシやタカ同様、生態系の物質循環を支えていることが記されている。巣材を集めるためにカラスが生き馬の”毛”を抜く話や、弱った犬猫や牛馬の子を襲う話はショッキングだ。
前半、カラスの追跡調査の記述は冗漫。本全体の書き方としては荒さが目立つが、とりあえずカラスのことを知るには便利な1冊だ。
お薦め度:★★ 対象:カラスに興味を持った初心者
日本の野鳥は今全体的に減少している。しかし、一方で増えている種もいる。それがハシブトガラスだ。彼らは東京などの都会を中心にゴミをあさって生活している。では彼らは東京に何羽いるのだろうか?明治神宮や自然教育園などのねぐら調査の結果1000羽ほどいるということがわかった。又、カラスは頭がいいといわれるが、いったいどれくらい偉いのか?いろいろなエピソードを交えながらみるカラスの話です。
お薦め度:★★★ 対象:都市鳥について興味のある人
都市鳥研究会の普段の地道な野鳥観察のドキュメンタリー風報告書であり、近年カラスの害でゆれる大都市東京のカラスとの共存を賭けた攻防の文化誌の趣もある。
発信機をつけてカラスの生活圏を追跡調査したり、カラス的視点に限り無く近付ける「カラス面白帳」の集大成の向きもある。カラスの縄張りが立体的である、と書かれてみると、日常にもう一つの視点を忘れている人間の平面思考を反省させられたり、カラスに親しみ、隣人カラスの賢さを改めて実感出来る一冊である。
お薦め度:★★★ 対象:時には空を見上げてみたいと思える人に
カラスのすべてを扱った本。とくに、カラスの興味深い行動や生態が数多く紹介されている。タイトルは中味とあまり関係ない。
東京のカラスを中心に、集団ねぐら、行動圏、営巣、食性、貯食といった行動・生態的な話題から、人との交流、害鳥としてのカラス、文学や神話の中のカラスまで、話題は多岐に渡る。しかし、全体にはあまり脈絡がない。
描かれているのは、おもに十数年前の東京のカラス。この本を読んでから、現在の大阪のカラスを改めて見ると、さまざまな発見ができるかも。
お薦め度:★★ 対象:カラスの行動に興味を持っている人