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本の紹介「カラスの常識」
「カラスの常識」柴田佳秀著、子どもの未来社寺子屋新書、2007年2月、ISBN978-4-901330-73-2、838円+税
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【森住奈穂 20151029】【公開用】
●「カラスの常識」柴田佳秀著、子どもの未来社
JR線路への置き石犯のカラス、前年に巣を撤去された恨みを晴らすため、列車転覆を謀った!?幼稚園手洗い場の石鹸盗難事件、花壇の草花引き抜き事件、そこにはいつもカラスがいた。古くから人の近くで暮らしてきたカラス。童謡に歌われるほど人とカラスは仲良くやってきたはずなのに、最近は悪者にされがち。それは私たち人間が野生動物との付き合い方を忘れてしまったから。同じ土地に暮らす者同士として、まずは相手を知ることから始めよう。食生活や子育てから遊びと思われる行動、ゴミを荒らされないようにするための指南まで解説。著者は自然番組を制作するジャーナリスト。カラスの巻き起こす「事件」に明るく迫る。
お薦め度:★★★ 対象:好奇心が世界を救うと信じるひと
【西本由佳 20151025】
●「カラスの常識」柴田佳秀著、子どもの未来社
「なにかと人との軋轢が取りざたされるカラス。だけど、カラスは野生動物としてごくあたりまえにふるまっているにすぎない。ゴミをあさるのは、自然界の「掃除屋」としてのカラスの役割を考えれば、ごく普通の行動だ。人を襲うのは、ひなを守るために限られると聞けば、けなげな行動にも思えてくる。著者は、カラスの野生動物としての行動・習性を話すなかで、人のカラスへの誤解をとき、カラスとの共存を模索する。
お薦め度:★★★ 対象:「野生」動物とのつきあい方を知りたい人
【和田岳 20151030】
●「カラスの常識」柴田佳秀著、子どもの未来社
第1章、いきなりカラスに関する誤解・都市伝説が列挙される。「カラスは黄色が嫌い」「カラスは人を襲う凶暴な鳥」「大きなくちばしで攻撃する」「生ゴミの曜日を知っている」「群れにはボスがいる」などなど。これを信じている人もいるんじゃないだろうか? しかし、これはすべて間違い。とまあカラスは、誤解されまくっている。この章だけでも一読の価値がある。
その後、カラスの分類・生態、不思議な行動(遊び、貝落とし、車を使ったクルミ割り、道具使用)、東京のカラスの生息数と生態と続く。最後にはカラスとの共存の仕方を提案している。
カラスを絶滅させるのは、ほぼ不可能だし、第一可愛そう。だとしたら、共存を考えないといけないに決まってる。その参考になる一冊。
お薦め度:★★★★ 対象:カラスとのつきあいを考える人
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