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本の紹介「カラス屋の双眼鏡」

「カラス屋の双眼鏡」松原始著、ハルキ文庫、2017年3月、ISBN978-4-7584-4078-3、500円+税


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【森住奈穂 20170616】【公開用】
●「カラス屋の双眼鏡」松原始著、ハルキ文庫

 日々の暮らしを「退屈だなぁ〜」「楽しいことなんか何もない」と思っている人に、この本を読んでほしい。「この世の中ははありとあらゆる生物が、ありとあらゆることをワチャワチャやっている世界」。そのことに気がつくと、なんだか断然楽しくなってくるのだ。たくさん登場する身近な生きものたちは、すべて著者の体験を通して語られる。アテレコが抜群で、とっても楽しい。「アリに天かす」はすぐにマネができる。「ハトにバタピー」はちょっと勇気が必要かも。「トカゲにひざまくら」は難易度が高いけど、成功すると幸せだろうなぁ。今日から実践できる、世界を楽しく見る方法が満載の書。ジュウシマツを飼いたくなってしまった。

 お薦め度:★★★★  対象:もやもやしているひと


【冨永則子 20170611】
●「カラス屋の双眼鏡」松原始著、ハルキ文庫

 『カラスの教科書』で一躍カラス研究者として名を馳せた松原氏だが、カラスだけを見ているのではないよというお話。とは言え、やっぱりカラス! 人に「なぜ視線が上向きなの?」と言われるほど、ついついカラスを見つけては巣を探す。タイトルには双眼鏡とあるが現在は単眼鏡を持ち歩いているそうだ。大学生時代のエピソードも交え、カラスのこと、鳥屋としての仕事、鳥以外の生物の話と日常生活の中での生き物との関わりから、自分の知らない世界は直ぐ側に広がっていることを教えてくれる。ジュウシマツのピーちゃんの話はちょっと泣ける。それにしても絵が上手い!

 お薦め度:★★★  対象:松原始ファンに


【西本由佳 20170609】
●「カラス屋の双眼鏡」松原始著、ハルキ文庫

 カラス屋の研究者の日常を描いた本。カラスはやっぱり中心だけど、カラスだけでなく、鳥だけでなく、とにかく生きものは何でも好きなのが伝わってくる。小さい頃はヘビをつかまえては愛で、クモのかむ痛さを知りたいからと指を差し出す。トカゲに膝枕をしている話はとてもなごむ。そこらへんの生きものなんでも視線を向けてみれば退屈しないでいられる、そんな目をもてたらいいなと思った。

 お薦め度:★★★  対象:ふだん生きものを意識していない人


【和田岳 20170616】
●「カラス屋の双眼鏡」松原始著、ハルキ文庫

 『カラスの教科書』でブレイクした(?)松原先生が、ファンに向けてつづったエッセイ集。って感じ。
 もちろんカラスの話もあるが、カラス以外の鳥の調査の話、その最中に出会った動物の話、意外と好きなヘビとハエトリグモ。とにかく、生き物関係の話題と、自分の話を思いつくままに並べた感じ。
 某教授(当時)の「見つけてねえだけなんじゃねえの」という名文句が、なぜか印象に残った。

 お薦め度:★★  対象:松原ファン


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