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本の紹介「河川事業は海をどう変えたか」
「河川事業は海をどう変えたか」宇野木早苗著、生物研究社、2006年1月、ISBN4-915342-45-X、1600円+税
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【中条武司 20060414】【公開用】
●「河川事業は海をどう変えたか」宇野木早苗著、生物研究社
海洋物理学の専門家である著者が、河川−海とのつながりから河川事業の功罪について言及する。水質悪化、海岸浸食、漁業資源の問題と河川事業の関係を、著者の専門である水循環や潮汐波動の観点から解き明かしていく。こう書くと難しく聞こえるが、非常にやさしい文章で、数式などなく結果をわかりやすく伝えている。
河川事業に限らず様々な大規模公共事業の是非の議論は、著者の主張する「投資評価」を正しく住民に伝えることなくしては、感情的な対立をうむだけで、何も生産しない対立が深まるばかりだろう。
お薦め度:★★★★ 対象:河川・海洋に関わる仕事をする人すべてに
【六車恭子 20060421】
●「河川事業は海をどう変えたか」宇野木早苗著、生物研究社
これは生涯海洋学を研究し続けた学者の最後にいわねばならない覚悟から生まれた著書のようだ。川のことは川の専門家に、海のことは海の専門家に、と見すごせない現実に、自らの専門分野からの報告を積み上げて「河川事業は海をどう変えたか」を解りやすく私たちの前に披瀝して行く。20世紀私たちを席巻して行った公共事業のツケが静かな語りの中に失った原風景の豊穣のしくみを解き明かしてくれる好著。
お薦め度:★★★★ 対象:この世の中どこか変、と思っている人に
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