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本の紹介「毛皮と人間の歴史」
「毛皮と人間の歴史」西村三郎著、紀伊國屋書店、2003年2月、ISBN978-4-314-00930-0、2800円+税
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【西村寿雄 20141019】【公開用】
●「毛皮と人間の歴史」西村三郎著、紀伊國屋書店
カバーに「毛皮をめぐる人間の歴史を、ネアンデルタール人の大昔から現代まで、ユーラシア大陸の全域から新大陸までに及ぶ地球規模の、有名無名、幾多の人間の壮大なドラマとして描きだす」とある。あまり知られていないが毛皮・皮革をめぐる一つの世界史である。人類が毛皮を求めて、ロシアからシベリアへ、グリーンランドから北アメリカへと侵攻していった歴史が豊富な史実で語られている。17、18世紀、ヨーロッパ各国の植民地獲得競争の裏には毛皮の入手というねらいもあった。コロンブスの航海より470年前にはすでにヨーロッパ人が毛皮を求めて新大陸に到着していたという。この本は、見方を変えれば人間によって絶滅に追いやられた哺乳動物怨念の書でもある。生物学者の著者が30年に及んだ構想を書き上げて脱稿寸前に他界された。著者最期の書である。
お薦め度:★★★★ 対象:人間と哺乳動物の経済史に関心のある人、高校生以上
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