友の会読書サークルBooks
本の紹介「奇跡のリンゴ」
「奇跡のリンゴ 「絶対不可能」を覆した農家木村秋則の記録」石川拓治著、幻冬舎、2008年7月、ISBN978-4-344-01544-9、1300円+税
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【釈智恵子 20090422】【公開用】
●「奇跡のリンゴ」石川拓治著、幻冬舎
表紙のおやじの顔に惹かれて手に取った。元々はNHKの番組「プロフェッショナル」で取り上げられたリンゴ農家の話。心からの笑顔を浮かべるそのおやじは、無農薬にこだわり、土の力と自然の力を引き出して、腐らない奇跡のリンゴを生み出した。望みを達成した今では、決して楽ではなかった道のりを、笑って思い出すことができるだろうが、家族ならきっともうやめてくれと思ったと思う。心の葛藤を描いた部分にほんの少し冗長な印象を持ったが、それでも事実のすごさが、ライターの筆力によって高められ、まっすぐに届いた。そのリンゴが食べたい、この人に会いたい。
お薦め度:★★★★ 対象:がんばるおやじが好きな人・食べることが好きな人
【六車恭子 20090619】
●「奇跡のリンゴ」石川拓治著、幻冬舎
世はまさに健康食ブーム。リンゴ健康法などもあったでしょうか。無農薬・無肥料で誕生した「奇跡のリンゴ」が一夜にして生まれたのではないことを知ることこそが、この本を手にする意味があるでしょう。
年13回の農薬散布を止めようと思ったのはアレルギーのある奥さんのため、福岡正信の「自然農法」をしったから、・・・でも志を持つ木村さんは7年ものあいだ、咲かず実らずのりんご園を前に生きる力をもそがれるものだったでしょう。もうこれまで、とさまよった裏山で幻のリンゴの木が彼に語っていたことは、すべての始りになったようです。生活者の身を置くその現場がすでに多くの学びを準備していたのだ。リンゴの木本来の力を引き出す農法はまだ紆余曲折はあったようですが、今ではみずみずしい芳醇な果実をうむ奇跡の農園になっているようです。その農園主の生き様がまた奇跡のありようといえるかもしれません。
お薦め度:★★★ 対象:生きる力に触れたい人
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