友の会読書サークルBooks
本の紹介「苔とあるく」
「苔とあるく」田中美穂著・伊沢正名写真、WAVE出版、2007年10月、ISBN978-4-87290-320-1、1600円+税
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【釋知恵子 20080425】【公開用】
●「苔とあるく」田中美穂著・伊沢正名写真、WAVE出版
著者は、古本屋の店主。コケと本を愛して止まない30半ばの女性。コケの写真はきれいだし、コケ観察や、標本作りなど著者が実践する様々なコケとの遊びは、どこか力が抜けていて、ひょいとやってみようかという気にさせる。研究者が書いていないからこその、この軽さなのか。随所に出てくる本の引用なんかも、本好きの心をくすぐってくる。全然自然のことなんか、興味なかったわっていう「女子」に読んでもらいたい。「コケって、かわいいでしょ。おもしろいでしょ」と著者の純な瞳で見つめられた気になって、思わず「うん」といってしまいそうな気分になるんじゃないかと思う。
お薦め度:★★★★ 対象:女子に
【田中久美子 20080425】
●「苔とあるく」田中美穂著・伊沢正名写真、WAVE出版
ご近所歩きから始まって、観察・研究・採集・整理・啓蒙・実用・遠征と徐々にグレードをあげていくのだが、それにも、コケ屋さん特有のどこかのどかなゆったり感が漂う。写真やイラストも豊富で、初心者の入門書としてもよく出来てると思う。構えずに入っていけそうなところが良い。いつも歩いてる道でも少し視点を変えるだけで苔とお友達になれるよ、と誘ってくれてるような本。
お薦め度:★★★★ 対象:苔に少しでも興味が湧いたらぜひどうぞ!
【六車恭子 20080815】
●「苔とあるく」田中美穂著・伊沢正名写真、WAVE出版
意表をつく装丁!若い苔の探求者はみずみずしい苔への思いをピンクの表紙にさらりとくるむ。しかしそのカバーの裏に、処女地のような苔の大地を愛猫の和毛の足が踏みしめて行く。柔らかなその感触。著者の苔に対する思いの熱さは、さりげなく「すぐ、そばにある、きれいでおもしろいもの。」というささやきに変える。「知らないことを知るのはいつも楽しい」 すぐ、そばにあって、見落としてしまったワンダーランド・「苔」を歩く入門書だ。月世界を歩くほどの破壊力を秘めた、遊びごころあふれた本とみた。
お薦め度:★★★★ 対象:疲れがたまって魂鎮めが必要な人
【和田岳 20080424】
●「苔とあるく」田中美穂著・伊沢正名写真、WAVE出版
古本屋主人であり、苔大好き人間の著者が、苔のディープな世界の入口に連れて行ってくれる。といっても小難しい話はない。というか、小難しい話も、伊沢正名氏の美しい写真と、著者の愉快な行動(イラスト付き)を交えることで、ぜんぜん小難しく感じさせない。
友人宅に遊びに行ったら、家の周りの苔を見て回って、写真を撮って、採集。苔の啓蒙大作戦と称して、友人に乾燥した苔を送りつける。著者の奇行を追いかけるだけでも楽しい。
もっぱら家の近所をウロウロして、苔を見つけて喜んでいる様子は、路上観察学の一派と言ってもいいのかもしれない。とにかくコケに興味がなくても楽しい一冊。これを読んだら、道を歩くときに思わず苔に目がいってしまう。かなり強力なコケ普及アイテム。仲間を増やしたいコケ屋は、友人に送りつけるべし。
お薦め度:★★★★ 対象:コケって切片を切って顕微鏡で観察しないと種類もわからないんでしょう?ちょっと敷居が高いな〜、と思っている人もそうでない人も
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