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本の紹介「集めて楽しむ 昆虫コレクション」

「集めて楽しむ 昆虫コレクション」安田守著、山と渓谷社、2007年8月、ISBN978-4-635-06326-5、1800円+税


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【六車恭子 20080222】【公開用】
●「集めて楽しむ 昆虫コレクション」安田守著、山と渓谷社

 集めに集めたりこのにぎわい! 生の昆虫の姿の面白さだろうか、標本では味わえないユーモラスな表情が全ページにあふれている。
 視点を固定するかと思えば、分解して拡散させる、その次にはズームインさせる手際は鮮やかだ。誰もが少し注意深くあれば野山で出会える昆虫たちをこのようにアレンジするとここはまさに開かれた博物館。その一つに出会えることでも幸せ、自分で見つけ出せばもうそこからが始まり、ということになりそうだ。ナナフシモドキの母さんが80日間に産み落とした卵236個をまるで雨だれのように並べる著者の生真面目さ(?)に脱帽です。にんまりしているあなたの姿が目に浮かんできそうです。

 お薦め度:★★★★  対象:虫好きならだれでも

【加納康嗣 20080221】
●「集めて楽しむ 昆虫コレクション」安田守著、山と渓谷社

 著者の昔年の撮影成果を爆発させた玉手箱のような写真集である。頁をめくる楽しみ、何が出てくるかドキドキと、ときめき、驚きはためき、著者の感性、センスの良さ、生き物に迫る迫力、忍耐力、好奇心と知識の深さに心を奪われる。こんな万華鏡みたいな昆虫写真集を今まで見たことがない。メチャメチャ面白い。とにかく手にとって、じっくり見ることをお進めする。

 お薦め度:★★★★  対象:生き物の大好きな人

【高田みちよ 20080221】
●「集めて楽しむ 昆虫コレクション」安田守著、山と渓谷社

 見て楽しい森の休日シリーズ第5弾。コレクションというにふさわしく、著者の集めた昆虫やその巣やフンなどで彩られている。全95ページの薄さだが、昆虫の多彩さが際立つ。私のお気に入りは擬態と個体変異。ヒシバッタの個体変異はよくこれだけ集めたもんだなぁ、と感心する。「うへぇ...」、と思ったのはコブハサミムシ。冬の間に生まれた子どもは母虫に守られながら育ち、ある程度大きくなったらよってたかって母を食ってさらに大きくなるらしい。虫の世界ではそれほど珍しいことでえはないのかもしれないが、人間的に感性では…。

 お薦め度:★★★  対象:昆虫を愛している人もいない人も

【和田岳 20080220】
●「集めて楽しむ 昆虫コレクション」安田守著、山と渓谷社

 キブシ、ノイバラ、ノリウツギ、秋の花、樹液など特定の場に集まる虫のコレクション。各種の卵、イモムシ、フン、蛹、抜け殻、繭、ミノなどのコレクション。オトシブミ、冬虫夏草、フン虫などのコレクション。さまざまなコレクションが、見開き2ページに。美しいカラー写真によって展開される。これを見たら、きっと自分でも何かを集めてみたくなる。なにを集めたら面白いだろう?
 なかでも面白いのは、ほぼ一生集めと題して紹介されているコレクション。ナナフシモドキが一生の間に食べたサクラの葉81枚のコレクション、ナナフシモドキの一生分のフン5094粒、ナナフシモドキが一生の間に生んだ卵236個。どれだけナナフシモドキが好きなんだろうというくらい、念入りに集めて、それをずらっと並べている。
 お気に入りは、花でハチがやってくるのを待っているマルクビツチハンミョウの一齢幼虫。そして、スズメバチの腹部のすき間から頭だけを出しているスズメバチネジレバネのメス。

 お薦め度:★★★  対象:虫好き、あるいは不思議コレクションの好きな人

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