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本の紹介「昆虫探偵」

「昆虫探偵」鳥飼否宇著、世界文化社、4-418-02503-0、1400円+税


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【西川裕子 20020621】
●「昆虫探偵」鳥飼否宇著、世界文化社

 うだつのあがらない昆虫マニアで推理オタクの葉古小吉は、ある朝、ヤマトゴキブリになっていた。昆虫界名ペリプラ葉古は探偵クマバチ・シロコパκ(かっぱ)氏の助手として、クロオオアリ・カンポノタス刑事とともに事件の解決をめざす。
 飛行中に突然落下し死んでしまったムクゲノコノハに手をくだしたのは誰?
 ダイコクコガネの母親が見守るなか忽然と消えた子供たちの行方は?
 17年ごとに大発生するセミが鳴かなくなった?
 アメンボの感知をかいくぐり、大型のフチトリゲンゴロウの体液を吸い尽くしたのは?
 擬態しているにもかかわらず襲われていくアカハネたちの謎。そして、探偵みずからが抱える秘密とは?
 ストーリーの裏側には環境問題や、弱肉強食の掟、昆虫にとってのオスの意義などのテーマがあり、ミステリとしてだけではない楽しみ方もできる。
 昆虫たちの生態が事件の謎を解くカギとなり、昆虫に関する知識と推理力が問われる。
 犯虫(はんにん)は、誰?


【和田 岳 20020621】
●「昆虫探偵」鳥飼否宇著、世界文化社

 クマバチの探偵とヤマトゴキブリの助手が、クロオオアリの刑事との掛け合いをしながら、さまざまな殺”虫”事件を解決する。6編が収められたミステリの連作短編集。虫たちはみんな人間くさいけど、その行動はその種の本来の生態をそれなりに反映している。そして何より、事件を解くカギは昆虫の生態にかかっている。というわけで、けっこうふざけたミステリ仕立てだが、楽しく読むだけでそれなりに昆虫などの生態について知ることができる。


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