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本の紹介「この羽 だれの羽?」
「この羽 だれの羽?」おおたぐろまり著、偕成社、2013年4月、ISBN978-4-03-437340-8、1600円+税
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【和田岳 20130823】【公開用】
●「この羽 だれの羽?」おおたぐろまり著、偕成社
近所で、拾った羽根の持ち主を考えてみよう。そこから始まる鳥の羽根の絵本。身近な鳥の羽根ミニ図鑑に、拾った羽根の保存方法まで。ストーリーはあまりなく、羽根拾い入門といった内容。
キジバト、ヒヨドリ、スズメ、シジュウカラ、メジロ、ムクドリ、ハクセキレイ、ツバメ、コゲラ、カワラヒワ、ツグミ、カラス、ドバト、…。大都市の公園でよく拾う羽根はだいたい出てくる。
とにかく見て欲しいのは鳥や鳥の羽根の絵の質の高さ。キジバトの絵一つをとっても、目の周囲の裸出部から、中央や最外の尾羽の描き分けまで、とても正確。日本で唯一、使えるイラスト羽根図図鑑。
お薦め度:★★★★ 対象:鳥の羽根を拾ったことのある人、拾ってコレクションしてみたい人
【冨永則子 20130628】
●「この羽 だれの羽?」おおたぐろまり著、偕成社
公園に落ちていた一枚の鳥の羽… どんな鳥の羽だろう? 探偵になったつもりで調べてみよう。
一枚の羽だけでも、観察するポイントが分かれば羽の持ち主が探し出せる。羽の大きさ、形、色などの特徴を周囲にいる鳥と照らし合わせていくと持ち主が浮かび上がるのだ。
羽の形の違いや役割などの専門的な言葉も易しく丁寧な解説で分かりやすい。羽のイラストが実物大なので、実際の羽と見比べるのにも便利。
これまで子ども向きで鳥の羽をテーマにした本は、福音館書店の「落としたのはだれ?」ぐらいしかなかったと思う。本書は大判の絵本サイズだが専門用語がきちんと使われていて、総ルビなので小学生でも読める装丁になっている。大人にも入門書として最適ではないだろうか。
お薦め度:★★★★ 対象:鳥好きの小学生から大人まで
【萩野哲 20130821】
●「この羽 だれの羽?」おおたぐろまり著、偕成社
公園で拾った1枚の鳥の羽からその持ち主を推理してみる。身近な鳥でもいろんな大きさの種がいろんな色や形の羽を持っている。つばさにある飛ぶための風切り羽、つばさの表面を守る雨覆い、体全体を覆う体羽・・・本書は身近な鳥約20種についてこれらの羽の特徴や見分け方をわかりやすく解説しており、ただ単に並べるだけでなく、各々の羽がどのように機能しているか、どのように羽が重なって体の色や模様を現わすか、など、大変親切な構成である。ふくらすずめの語源もわかった!羽を拾った時、その種は何かのみならず、どのようにしてここに来たのか推理をめぐらすのも、大変楽しい。
お薦め度:★★★ 対象:1枚の羽から鳥のくらしを読み解きたい人
【六車恭子 20130823】
●「この羽 だれの羽?」おおたぐろまり著、偕成社
お散歩で鳥の羽を拾ったら、この本があれば楽しいだろう。大判のイラスト絵本なので、野外に持ってゆくのは無理ですが、その謎の羽が誰のもかわくわくしながらひもとけそうだ。こんな鳥にであえたら嬉しいな、と思える鳥の羽はいちおう網羅されている。細かいチェックポイントにも親切に言及されており、これからバード・ウォッチングにはまりそうな予感が忍ばれる。同様の丁寧な作図で冬鳥の羽図鑑が出来ればなおいいだろう。
お薦め度:★★★ 対象:これから野外のコレクターをめざす人
【森住奈穂 20130822】
●「この羽 だれの羽?」おおたぐろまり著、偕成社
鳥の羽は落しもの。かならず持ち主がいて、理由があって、そこにある。よく目にするのはハトやカラスといったおなじみの鳥の羽。でももしかしたら、渡り鳥やはぐれ鳥のすごーく珍しい羽を拾う可能性も、ある。千載一遇のそんなチャンスにめぐり合っても、興味関心がなければそれはただの羽。来るべきその時に備えて、鳥の羽の勉強をしよう。実物大のイラストを眺めながら、あーだこーだ考えよう。考える方向さえ定まらない初心者のわたしを、見返しに掲載の「春夏秋冬わたしの羽日記」が導いてくれる。
お薦め度:★★★ 対象:これから野外のコレクターをめざす人
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