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本の紹介「クマよ」
「クマよ」星野道夫著真、福音館書店「たくさんのふしぎ」1998年3月号
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【六車恭子 20061219】
●「クマよ」星野道夫著真、福音館書店「たくさんのふしぎ」1998年3月号
この写真絵本はアラスカの大地から召還された人のみに森がご褒美のように開いてみせてくれた贈り物に思える。南アラスカの大地の精霊ともとれるクマ親子のふれあう姿を雄大な四季の変遷の中で捉える。クマの目を欲したに違いない写真家は時にロングで時にショートでカメラアングルは変幻自在だ。私たちの時間を異次元へと誘う魔法の目は計算され尽くしている。オオロラを背景にテントの灯りが、大地のふところに眠るクマの心臓の鼓動と重なる。アラスカの自然は生と死の気配すら伝えて、あの世から寄せられた星野ワールドへの招待状のようだ。
お薦め度:★★★★ 対象:大人も子どもも
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