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本の紹介「草を褥に」
「草を褥に」大原富枝著、小学館、2014年6月、ISBN978-4-09-343351-8、1800円+税
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【森住奈穂 20140819】
●「草を褥に」大原富枝著、小学館
巻末の津本陽氏の解説に「いごっそうとは、時流に従おうとしない独立不羈の精神であり、目的達成のためには周囲の迷惑もかえりみない自己中心主義」とある。牧野富太郎はまさに植物学にとりつかれた土佐のいごっそうであった。真っ暗闇を足元も確かめないで、興味の向くまま走りぬけたような人であったと思われる。当然たびたび窮地に陥るのだが、どの分野のトップランナーも、周囲の支えがあってこそその活躍があるもので、この小説においても、窮地に必ず現れる周囲からの支援が物語の柱となっている。「草を褥に木の根を枕
花に恋して九十年」晩年の牧野が好んで使ったというこの言葉、上機嫌の牧野と、そんな牧野を見守り続けた人々の姿が目に浮かぶ。各章扉には牧野の植物画が花を添えている。
お薦め度:★★★ 対象:応援したくなるひと、がいるひと
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