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本の紹介「恐竜最後の日」

「恐竜最後の日」ライリー・ブラック著、化学同人、2024年8月、ISBN978-4-7598-2379-0、2800円+税


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【萩野哲 20250415】
●「恐竜最後の日」ライリー・ブラック著、化学同人

 66,043,000年前、地球に衝突した小惑星は、恐竜を始めとした75%の生物種を絶滅させるに至った。本書はその小惑星の衝突直前、衝突時、衝突1時間後、1日後、1月後、1年後、100年後、1000年後、10万年後、100万年後の情景を、それぞれ主人公を置いて空想している。衝突で恐竜のような地中や水中に隠れることのできない動物や植物たちの運命はどうなったのか、気候はどう変化していったのか、そして哺乳類はどのように繁栄していったのか?
 直径11kmの小惑星が、恐竜全盛期というタイミングで、地球上のユカタン半島という場所に45度という角度で落下した偶然は、現在の人類の繁栄につながり、この絶滅劇の情景を歴史的科学的に再現・理解し、記録する能力を与えた。人類がその幸運を今後も生かし続けることができるのか、換言すると小惑星の衝突が吉だったのか凶だったのか、今問われているような気がしてならない。

 お薦め度:★★★  対象:小惑星が変えた人類の幸運をあらためて理解したい人
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