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本の紹介「マチカネワニ化石」

「マチカネワニ化石 恐竜時代を生き延びた日本のワニたち」小林快次・江口太郎著、大阪大学出版会、2010年6月、ISBN978-4-87259-215-3、2400円+税


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【萩野哲 20110217】【公開用】
●「マチカネワニ化石」小林快次・江口太郎著、大阪大学出版会

 1964年に待兼山の大阪大学豊中キャンパスで発見されたマチカネワニの完全記載論文がようやく最近になって報告された(2006)。本書は研究が一段落し、オリジナル標本が大阪大学に返還されたのを契機とした記念的な出版である。マチカネワニの発見の経緯、形態的な特徴が詳しく書かれており、学名のToyotamaphimeiaは、古事記に出てくるワニの化身である豊玉姫から名付けられたことや、下顎が欠損しているのは化石が発見されなかったからではなく、その状態で生存していたこと、鱗には現生種のような陵がなかったことなどが理解できる。更には、他のワニとの比較のため、ワニ類全般についても基礎的な情報がまとめられている。現在、マチカネワニのオリジナル標本は待兼山修学館で公開されている。

 お薦め度:★★★★  対象:ワニについて知りたい人

【中条武司 20110826】
●「マチカネワニ化石」小林快次・江口太郎著、大阪大学出版会

 マチカネワニといえば大阪から出た化石のシンボルみたいなもの。そのマチカネワニ化石を分類、生態、病理、古地理など様々な面からアプローチするマチカネワニのすべてがわかる本。特に現生種のワニを紹介し、その骨格の比較により系統関係を明らかにしているところなどはへーっと思う。とはいえ、どれだけそれにニーズがあるのかな。また、判型が大きすぎて(A4版)読みにくい。せめてB5版くらいにしてほしかったな。

 お薦め度:★★  対象:ワニ好きな人

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