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本の紹介「モグラの生活」

「モグラの生活」飯島正広著、福音館書店「たくさんのふしぎ」2007年8月号、667円+税


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【西村寿雄 20071220】【公開用】
●「モグラの生活」飯島正広著、福音館書店「たくさんのふしぎ」2007年8月号

 モグラの生の姿をこんなにも記録した本はまずない。
 著者は、まず、観察用のモグラトンネルを作る。でも、半分切り開いた形になっていて、モグラは外に出ようと思えばすぐに出れる。でも、モグラは外に出ないという。もぐらは「体になにかふれてないとこわい」のだそうだ。なるほど。おもしろい習性だ。
 モグラトンネルで、二匹がはち合わせになるとどうなる? 激しいけんかが始まるのだそうだ。ん? 目が見えるの? 見えなくても、相手をやっつける〈秘密の武器〉が機能しているという。すごい。すごい。
 著者は、もぐら名人の案内でついにモグラの巣をつきとめた。やがて、巣の中に内視鏡が入る。いたいた、もぐらの赤ちゃんだ。このような映像は本邦初公開ではないか。

 お薦め度:★★★  対象:小学生から大人まで

【釋知恵子 20071221】
●「モグラの生活」飯島正広著、福音館書店「たくさんのふしぎ」2007年8月号

 絵本の中で、モグラはよく登場する。土を掘って、トンネルを作り暮らすモグラは、点々目でかわいいキャラクター。親しみがあって、小さい頃から知っているような気がする動物だけれど、本当のモグラって、一体どんな生き物なんだろう。この本は、著者が、モグラについての素朴な疑問を解決するために、飼育して、撮影をした記録。トンネルの中で他のモグラに出会ったらどうするの?とか、トンネルに水が入ったらどうするの?とか、自分がモグラになって考えたような疑問がおもしろい。そして、実際に試して撮った写真は、今まであまり見たことのないものばかり。モグラの驚きが次々に出てきて、めくるのが楽しいし、読んだ後もお気に入りの写真のところをまた開いてみたくなる。ちなみに、私のお気に入りは、表紙と23ページです。

 お薦め度:★★★★  対象:モグラを知ってる人はだれでも

【田中久美子 20070817】
●「モグラの生活」飯島正広著、福音館書店「たくさんのふしぎ」2007年8月号

 これほど身近にいて、実態のつかめない動物も珍しい。この本は、そのモグラの生活を紹介する貴重な本。飼育箱でのモグラの一日、トンネルの中のモグラ。モグラもコウモリのように超音波でやりとりしてるらしい。キノコの相良直彦先生が登場してモグラの巣掘り。そして、モグラの赤ちゃん見たさにそれから6年も、モグラの巣を掘り続ける。地味な内容だけど、時間と手間ひまかけて、モグラの生活を追っている。それでもまだわからないことだらけだそう。でも、少しでもモグラの事がわかった気がする。畑や庭が穴ぼこだらけで困るけど…。

 お薦め度:★★★  対象:モグラ好きはもちろんモグラが害獣だと思っている人にも

【六車恭子 20071222】
●「モグラの生活」飯島正広著、福音館書店「たくさんのふしぎ」2007年8月号

 野山に行くと必ずモグラ塚にであう。その塚の盛り加減から私はモグラをもう少し大きいものだと想像していた。指先に乗るモグラの写真は私の予想を覆した。そして彼らを働き者だと考え直したが、1日の4分の3は寝ているという報告で、あの地面の下には大勢のモグラが住んでいたのだろう、と思うことにした。ナガエノスギタケの下にはきっとモグラのトイレがある、春から初夏にかけて子育てをする赤ちゃん誕生の撮影、上手に泳ぐモグラの姿のショット。一冊の写真絵本が生まれるには長い「モグラの生活」を追いかける執念があってこそと納得した。超音波を聞き取る機器や内視鏡を屈指して観察するあたり、観察機器の進歩をうまく利用した手練に感服した次第です。

 お薦め度:★★★  対象:モグラたたきをしたことのある人

【和田岳 20071222】
●「モグラの生活」飯島正広著、福音館書店「たくさんのふしぎ」2007年8月号

名前は知ってるけど、姿を見た事はないし、その生活なんて知らない。モグラってそんな動物じゃないだろうか? そんなモグラの生活をいろいろと紹介してくれる。
 一日の大半を寝て過ごし、断続的に起きて活動しているだけ。モグラの一日はのんびり楽しそう。モグラの巣からはキノコが生える。そのキノコを目印にモグラの巣を掘り当てることができる。そして見つけたモグラの赤ちゃん。可愛いというよりは、きも可愛い。
 少し気になるモグラの生活が少しわかってくる本。

 お薦め度:★★★  対象:モグラが少し気になる人

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