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本の紹介「虫たちはどこへいくのか」

「虫たちはどこへいくのか クロコノマチョウがおしえてくれたこと」岸一弘著、ポプラ社、2003年4月、ISBN4-591-07689-X、950円+税


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【西村寿雄 20030610】
●「虫たちはどこへいくのか」岸一弘著、ポプラ社

 1990年の夏、著者は神奈川県大磯町でクロコノマチョウという南方系のチョウの成虫の捕獲に成功する。「とうとう見つけた!」と著者は、一瞬、胸をおどらせた。それから著者はこのクロコノマチョウの生育調査を継続し、ついに、卵や成虫の冬越しの姿発見する。南方系のこのチョウの生息が確認された。南方系のチョウが徐々に北上しているのだ。
 「このチョウたちはなぜ北へいくのだろうか」と著者の疑問が頭をよぎる。〈年々高まってくる地球温暖化の影響ではないか〉と著者は見る。市内の冬の年平均気温を調べると1990年くらいからぐっと高くなっている。地球の温暖化が、こうした昆虫たちの北上に、少しずつ、時には速いペースで手助けしていることを改めて知せてくれる本である。
 
 お薦め度:★★★★  対象:小学5年以上

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