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本の紹介「ナメクジはカタツムリだった?」

「ナメクジはカタツムリだった?」武田晋一著、岩崎書店、2021年6月、ISBN978-4-265-04377-4、1500円+税


【注意】本の紹介は、それぞれの紹介者が自らの判断によって行なっています。他の人からの意見を取り入れて、変更をする場合もありますが、あくまでも紹介文は紹介者個人の著作物であり、サークル全体や友の会、あるいは博物館の意見ではないことをお断りしておきます。

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【森住奈穂 20250627】【公開用】
●「ナメクジはカタツムリだった?」武田晋一著、岩崎書店

 私はカタツムリが少し苦手。子どもの頃、家の床を這っていたカタツムリを踏みつぶしてしまったからかも知れない。だけど、この写真絵本に出てくるカタツムリたちを見ると、色も形もユニークで、なぜか惹かれてしまう。殼高2mmのケシガイ。真っ黒のエゾマイマイ。緑色の アオミオカタニシ。小さいお皿のような殼を隠してしまうヒラコウラベッコウガイ。会ってみたいなぁ。最近カタツムリをとんと見ていないなぁ。カタツムリに会いたくなる絵本。

 お薦め度:★★★  対象:見たことのないカタツムリを見てみたいひと
【冨永則子 20250624】
●「ナメクジはカタツムリだった?」武田晋一著、岩崎書店

 プロのヤマメ釣り師を目指していた少年が、そんな職業はないと分かって生き物の研究者へ進路変更するも、研究結果を記録するために始めた写真に関心を持ち、身近な自然を伝えることにこだわる自然写真家になる。生き物好きの写真家とは言え、苦手な生き物はいる。それが“ナメクジ”! そのナメクジ嫌いがナメクジを見たくなった切っ掛けが全国のカタツムリを調べる旅だった。車の中で寝泊まりしながら沖縄から北海道まで、カタツムリを探す旅を続ける。そこで殻を隠すカタツムリに出会う。まるでナメクジやん! 逆に、体の中に殻を持つナメクジがいることを知り俄然興味が湧く。その上、幻のナメクジと言われる“イボイボナメクジ”はナメクジと付くがナメクジじゃない?! 何だそれ! カタツムリとナメクジ… いったい、どんな進化の秘密を背負っているの?

 お薦め度:★★★  対象:身近な生き物の進化に興味がある人に
【西村寿雄 20250624】
●「ナメクジはカタツムリだった?」武田晋一著、岩崎書店

 武田晋一さんは全国をまわってカタツムリを追いかけている人。その武田さんのカタツムリ絵本。大きな写真で各地のカタツムリが魅力的に映し出されている。まずは福岡県から。神社の影から見つけたカタツムリでキセルガイに似た種やふたのある種もある。山口県にいくとなんと殻のまわりに毛がある種も。岐阜県に行くと虫メガネで見るような小さいカタツムリも。カタツムリには右巻き種、左巻き種あることがまとめられている。北海道に行くと殻が黒いカタツムリもいる。最後にナメクジの写真も。全国各地のカタツムリの姿が楽しめる。

 お薦め度:★★★  対象:カタツムリ、ナメクジ好きの人
【和田岳 20250625】
●「ナメクジはカタツムリだった?」武田晋一著、岩崎書店

 福岡県在住の著者が、カタツムリを求めて山口、岐阜、東京、青森、北海道と北上。続いて、鹿児島、沖縄と南下。それぞれの地で出会った生きたカタツムリを美しい画像で紹介する。
 表紙にもなっているナメクジのようなカタツムリ、ヒラコウラベッコウガイをきっかけにナメクジにも手を広げ、イボイボナメクジも紹介。
 いろいろなカタツムリが出てきて楽しいのと同時に、いろいろなカタツムリネタがさりげなく登場する。左巻きカタツムリの多くは関東以北にいる。同じグループでも山のカタツムリは黒っぽく、里のカタツムリは白っぽい。イボイボナメクジは、イソアワモチの仲間。その他、殻に毛が生えたオオケマイマイ、目が可愛いゴマガイ、軟体部が殻をおおうカントウベッコウ、軟体部が美しいアオミオカタニシ、超平べったいオオカサマイマイ。日本のカタツムリ界のスターがいっぱい。

 お薦め度:★★★  対象:カタツムリに興味はあるが詳しくない人
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