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本の紹介「南極大紀行」

「南極大紀行」NHK「南極」プロジェクト編著、日本放送出版協会、2003年12月、ISBN4-14-080837-3、1900円+税


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【早川友康 20040423】【公開用】
●「南極大紀行」NHK「南極」プロジェクト編著、日本放送出版協会

 壮大な南極の大自然と、それを解明しようとする人々の記録。かつて有名な探険家ですら命を落とした南極の地に、金さえだせば誰もが行ける時代となった今日でも、解明されていない事は沢山ある。それらを解明しようとする研究者や取材した人々の体験が綴られている。例えば、オーロラの研究や、ドーム富士で行われている氷床調査等だ。又、一見何もいないと思われがちな、南極の海、コモンウェルス湾の海底に、広がる巨大海藻群等も、豊富な写真を取り入れて紹介した、南極の入門書。

 お薦め度:★★  対象:南極に興味のある人

【中条武司 20040421】【公開用】
●「南極大紀行」NHK「南極」プロジェクト編著、日本放送出版協会

 NHK取材班がドキュメンタリー撮影のために訪れた地球最後の未開の地、南極。あまりにも厳しい自然を通して地球を知ろうとする世界各国の調査隊に同行したり、極寒の海に潜り未知の自然を映像に記録する様子が書かれている。また、その取材を通して得られた科学的知見をトピック的に紹介しており、今南極調査で何が行われているかを知ることが出来る。
 南極では風邪をひかないとか、基地で行われるパーティーの様子など、余談も読んでいて楽しい。取材班が取材を通して見た南極の臨場感が生き生きと伝わってくる。

 お薦め度:★★★  対象:自然ドキュメンタリー取材に興味のある人、または全地球的な環境問題に興味のある初心者

【寺島久雄 20040406】
●「南極大紀行」NHK「南極」プロジェクト編著、日本放送出版協会

 氷の大陸南極は想像をはるかに超える。この未知の世界を美しいグラビアと文で紹介してくれる。
 最低マイナス89.2度、海の中の白い城氷山、この過酷な自然の中の生きものたち、幻想的なオーロラと巨大化するオゾンホール。氷は1年で10メートル動く。この南極で観測を続ける専門家集団と行動を共にしたレポートである。
 NHKの南極からハイビジョンセンターのTV放送で多くの情報が送られた。それらを本にまとめたものである。

 お薦め度:★★★  対象:未知なるものに関心のある人に

【西村寿雄 20040223】
●「南極大紀行」NHK「南極」プロジェクト編著、日本放送出版協会

 この本は、子どもの読み物として書かれたものではない。NHK南極プロジェクトチームが中心になってまとめた南極の〈今〉レポートである。放送記者から見た南極の〈今〉をなまなましく伝えている。中学生以上なら読めるのではないか。
 南極大陸は、今や「冒険の地から地球観測の窓へ」と変身しているという。南極は北半球の大気も到達しているので、ここでの観測は、地球の環境汚染のバロメーター役になっているという。施設が良くなったというものの、マイナス70度、80度の世界、観測隊員にはこの過酷な環境下での観測に大変な体力と精神力を要求される。
 「南極から地球を見る」という項もおもしろい。「なんと、地上の雪や氷の90%は南極にあるという。その氷がすべて溶けると、世界中の海面が70mあがるという。そんなに多くの〈水〉が南極に積み上げられているのかと驚かされる。
 今回のNHKのプロジェクトの目的は、南極から地球環境を見つめることにあるという。フロンの観測を初め、二酸化炭素量観測も気になる。20年前と比べると二酸化炭素量は10%は増えている。なんとしても、これ以上の二酸化炭素の増加はおさえないと今に大変なことになるなと実感する。
 南極で唯一つ楽しみなのはオーロラを見ることだという。昭和基地は〈オーロラ帯〉の下にあり、〈オーロラ爆発〉と呼ばれる豪華絢爛たるオーロラショウが楽しめるという。火山の話や海底の話など、興味のある内容が目白押しだ。
 各項、独立してレポートされているので、どこからでも興味深く読める。

 お薦め度:★★  対象:小さな巨人発掘を楽しめる人

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