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本の紹介「ネズミの分類学」
「ネズミの分類学 生物地理学の視点」金子之史著、東京大学出版会、2006年12月、ISBN4-13-060188-1、5000円+税
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【長井裕司 20070410】
●「ネズミの分類学」金子之史著、東京大学出版会
以前、家の車庫に穴がありホースで水を流すとハツカネズミが飛び出して来た。そのことを思い出しながら読んだ。この本は著者の研究の集大成であり、ネズミの研究を始めた動機から、メインの分類学、そして今後のネズミ研究への提言となっている。一般読者には退屈になりがちだが、「コラム」が随所にあり一息つける。何よりもこの本は将来研究者を志す者にとって大いに参考になるだろう。心構え、調査の地道さなどを説き、熱いエールが聞こえてくる。
お薦め度:★★ 対象:将来研究者を志す者はぜひ
【和田岳 20070427】
●「ネズミの分類学」金子之史著、東京大学出版会
ネズミの研究一筋40年の著者が、日本のネズミを中心に、ネズミの分類学、生態学、生物地理学について語った本。合わせて、著者が学生時代をすごした1960年代の京都大学動物学教室の様子が描かれる。
徳田御稔、今西錦司、可児藤吉、川村多実二、鹿野忠雄、森下正明。この名前にピンとくる人は、第1章を読んでみよう。生物地理学に興味のある人は、第5章と第4章を読もう。ネズミ大好きな人は、第3章、第4章、第6章、第7章。それ以外の章は拾い読みで充分。ネズミにさほど興味のない人に、ネズミの種名と分類と特徴の羅列は辛いだけ。
お薦め度:★★ 対象:超ネズミマニア、又は1960年代までの京都大学動物学教室の雰囲気を知りたい人
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