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本の紹介「日本人はどんな肉を喰ってきたか?」

「日本人はどんな肉を喰ってきたか? 完全版」田中康弘著、ヤマケイ文庫、2023年6月、ISBN978-4-635-04967-2、1050円+税


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【和田岳 20240227】【公開用】
●「日本人はどんな肉を喰ってきたか? 完全版」田中康弘著、ヤマケイ文庫

 フリーカメラマンの著者が、西表島から礼文島まで、日本各地11ヶ所で猟の現場に赴き、猟の実際やその後の肉を喰らう場を紹介した一冊。民俗学的な側面が強い。
 西表島のリュウキュウイノシシの罠猟、宮崎県椎葉村のイヌを使ったイノシシ猟、秋田県阿仁の阿仁マタギのツキノワグマ猟、礼文島のトド猟。などが印象が強い。
 獲物を捕ったら、その後はパーティ。獲物の解体と、食事風景が描かれる。肉の解体の流儀が判るし、他の人やイヌと肉を分ける様子も興味深い。ただ、しばしばあちこちで、生肉を喰ってる。成り行き上、著者も喰ったりして、腹壊したりしてる。旨いんだろうけど、衛生上はちょっと怖い。と思ってたら、一番最後に注意書きがあった。

 お薦め度:★★★★  対象:猟の現場では何が起こって、どのように捕った肉が喰らわれてるかを知りたい人
【中条武司 20240228】
●「日本人はどんな肉を喰ってきたか? 完全版」田中康弘著、ヤマケイ文庫

 日本の狩猟と肉食文化を、西表島から礼文島まで南から北へ紹介していく。食べられる獣や鳥はおいしそうだし、その猟も興味深い。生食はちょっと遠慮したいけど・・・。竹で作る箱罠や木をばねにしたくくり罠とか、原始的といっていいのかわからないけど、そんな猟が(少なくとも10年前には)残っていることにちょっと驚き。個人的にはアナグマとウサギが食べたいなあ。

 お薦め度:★★★  対象:肉好きな人
【森住奈穂 20240301】
●「日本人はどんな肉を喰ってきたか? 完全版」田中康弘著、ヤマケイ文庫

 日本各地のさまざまな狩猟の現場を紹介する。現代の狩猟は駆除が多い。高知県のミカン畑で捕らえられたハクビシン。写真で見る解体の様子が興味深い。調理は焼肉か野菜との煮込みが多いが、大分県の猟師レストランでは料理人が近所の雑木林で獲ったシカをプロの技でステーキやハヤシライスに。とっても美味しそう。他にも西表島や宮崎椎葉村のイノシシ猟、大分でのアナグマなど。珍しいところでは北海道礼文島のトド猟。トドも駆除対象だとは知らなかった。奪った命は疎かにせず食べる。食べることが生きることに直結していた時代に当たり前だったことが、現代では珍しいことになっている。増えすぎシカ問題が言われて久しいが、未だ鹿肉を目にする機会は少ない。もったいない。

 お薦め度:★★★  対象:狩猟に興味があるひと
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