友の会読書サークルBooks
本の紹介「日本列島100万年史」
「日本列島100万年史 大地に刻まれた壮大な物語」山崎晴雄・久保純子著、講談社ブルーバックス、2017年1月、ISBN978-4-06-502000-5、1000円+税
【注意】本の紹介は、それぞれの紹介者が自らの判断によって行なっています。他の人からの意見を取り入れて、変更をする場合もありますが、あくまでも紹介文は紹介者個人の著作物であり、サークル全体や友の会、あるいは博物館の意見ではないことをお断りしておきます。
もし紹介文についてご意見などありましたら、運営責任者の一人である和田(wadat@omnh.jp)までご連絡下さい。
[トップページ][本の紹介][会合の記録]
【上田梨紗 20170421】【公開用】
●「日本列島100万年史」山崎晴雄・久保純子著、講談社ブルーバックス
この本の帯に「驚きに満ちた日本列島史!」とあり、ハードルをあげますねと内心思っていたのですが、実際驚きに満ちていました。
なぜ日本列島は弓形をしているのかや、フォッサマグナ、ブラキストン線、北海道の泥炭はニッカウヰスキーの香りづけにつかわれているや、二宮金次郎さんのご活躍に至る経緯、富士山の凄さ、近畿三角帯、大阪人が全員恐れているだろう南海トラフ地震(最初の文書記録は日本書紀)のことなど、その他日本全国地域ごとに地形は勿論雑学もまぜつつ紹介されています。読み終わると、冒頭の「諸地形無常」に納得です。
追記、昔は噴火した山に官位を与えていたそうです。
お薦め度:★★★★ 対象:地形や歴史に興味のある人、地震に興味のある人
【中条武司 20170616】
●「日本列島100万年史」山崎晴雄・久保純子著、講談社ブルーバックス
地理って学校ではなぜか社会で習うのだけど、本当は自然科学(理科)の範疇に入る分野。自然科学的な立場で日本全体の地形的な成り立ちを紹介する一般書はなかなかなかったけど、ようやく出されたその入口ともいえる本が本書。北海道から九州までの地形的な成り立ちを北からトピックで紹介していく。著者らが関東圏の人たちなので西日本の紹介が弱い、琉球列島についてはほとんど触れられていないという弱点はあるが、まずは地形について知る入口にはいいのでは。
お薦め度:★★★ 対象:日本の地形の概略を知るには
【西村寿雄 20170417】
●「日本列島100万年史」山崎晴雄・久保純子著、講談社ブルーバックス
この本は、ここ100万年の日本列島の歴史を追いながら、日本各地の地形や地震発生などの原因などについて易しく語っている。最初に〈プレートテクトニクス〉を説きながら「日本列島はどのようにして形作られたか」を説き、そのあと、北海道、東北、関東…というように各ブロックに分けてその地の特徴的な地形について解説している。近畿では〈近畿三角帯〉の話として〈移動する琵琶湖〉や〈六甲変動〉の話などがある。兵庫県南部地震で神戸市の震度が特に大きかった原因となった〈地震動の焦点効果〉の話もある。西南日本の出来方なども東南海地震とかかわって興味深い。自分たちの住んでいる場所の地形がどのような変化で今の形になったのか、それぞれに興味深く読み取れる。
お薦め度:★★★ 対象:地域の地形や地震に関心のあるみなさん
【萩野哲 20170417】
●「日本列島100万年史」山崎晴雄・久保純子著、講談社ブルーバックス
本書は、日本列島が形成された総合的な説明の後、地方毎に代表的な地質学的イベントをまとめており、実際にその場を歩いた時に興味がわくよう構成されている(ブラタモリみたい)。三陸リアス海岸の成り立ち、武蔵野台地と東京低地の歴史、焦点効果による神戸の震災の帯、などなど。大変わかりやすい記述であり、本当にその説明でよいのか?と穿った考えを持ってしまうほどである。雁行という言葉も覚えてしまった。
お薦め度:★★★ 対象:初めて地質の本を読む人
[トップページ][本の紹介][会合の記録]