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本の紹介「親指はなぜ太いのか」

「親指はなぜ太いのか 直立二足歩行の起原に迫る」島泰三著、中公新書、2003年8月、ISBN4-12-101709-9、880円+税


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【田中久美子 20031226】
●「親指はなぜ太いのか」島泰三著、中公新書

 いつだったか兄が突然、自分の手をまじまじと見入りながら「人間の手って、宇宙人から見たら不気味やろうな」と言った。「指の長さもバランバランやし、1本だけ横から生えてるし、宇宙人から見たら不気味やで」 変な兄貴ではあるが、言ってる事は一理ある。なんでこんな形してるんだ。それ以来、その事は私の疑問にもなった。
 その疑問に答えてくれそうな本が見つかった。それがこの本が。
 霊長類のさまざまな手のイラストを見るだけでも驚きだ。その多様さは人間どころではない。筆者はその手と口の発達には主食とする食べ物がおおいに関係有りと見て、食べ物と住み分けによる手の変化を説いていく。しかし、すべての謎が解明されるわけではない。実際、食べているところを観察するのも困難な稀少なサルが多いのだ。
 それにしても、アイアイなど、名前はよく知っているのに、こういう手の形をしているとはちっとも知らなかった。サルたちの手のイラストを見るだけでも楽しい。サル年にすすめの1冊!

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