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本の紹介「サボテン島のペンギン会議」

「サボテン島のペンギン会議」川端裕人著・福武忍絵、アリス館、ISBN4-7520-0221-3、1300円+税


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【西村寿雄 20030223】【公開用】
●「サボテン島のペンギン会議」川端裕人著・福武忍絵、アリス館

 最初の項に「ペンギン大国ニッポン」というのがある。「ん、どういうこと?」と、思わずそこの項に目がいく。日本には、もともと南米のチリに生息しているというフンボルトペンギンがなんと1,200羽もいるのだという。しかも、かんじんの生息地ではすでに激減の危機にあり、日本(動物園)が「ペンギン大国」とのこと。日本の動物園、水族館に勤めている著者達が、このフンボルトペンギン保護活動のため、まずは、現地に観察に出かける話が中心になっている。
 こうした動物たちの棲む環境が悪くなっていく現実を知ると共に、日本の〈動物園・水族館〉の展示のあり方も考えさせられる。
 
 お薦め度:★★  対象:小学校高学年から

【瀧端真理子 20030222】
●「サボテン島のペンギン会議」川端裕人著・福武忍絵、アリス館

 暑い国のペンギン! 日本にいるペンギンの半分以上は、温帯や亜熱帯にすむフンボルトペンギンなんだけど、長い間、寒い国のペンギンの身代わりだった。南米チリだと、ペンギンたちは、サボテンの根元に巣穴を掘ってたりするんだよ。野生のペンギンたちにあうために、ビルの6〜7階もの高さの古いはしごを登る勇気ある? 下はもちろん断崖絶壁。飼育係のお姉さんやお兄さんたちといっしょに出かけたペンギンツアー。減ってるペンギンの姿を見て、さあ、あなただったらどうする?
 
 お薦め度:★★★  対象:南米に行ってみたい人〜現地保存を考える大人まで

【金井一史 20031201】
●「サボテン島のペンギン会議」川端裕人著・福武忍絵、アリス館

 サボテンのある島ではペンギンが会議をして今後の世界の動きを決めていくという衝撃の事実をつづったトンデモ本と言うわけではありません。ペンギンが絶滅に瀕しているという事実を実例をまじえて楽しげに語る導入本です。
 そもそも日本にいるペンギンの大半がフンボルトペンギンという種でありチリの暑い場所に多く生息しているという話からはじまります。そう、筆者はその奇妙な事実からペンギンとかかわり始めるのです。そして、彼はチリへと渡りペンギンの生息地を目にします。そこで目にするさまざまな凄惨な状況。そして、それと共に野生に生きるペンギンの気高さを目にしさらにペンギンにのめりこんでいくという話です。環境保全の話というよりもペンギンが滅びかけているという話です。ちょっとした時間の隙間にさらさらと読める作品です。ただ、さらさら読めすぎてもう少し内容が欲しくなったりしました。
 
 お薦め度:★★  対象:ペンギン好きな人

【六車恭子 20030420】
●「サボテン島のペンギン会議」川端裕人著・福武忍絵、アリス館

 愛嬌たっぷりのあの「ペンギン」に釣られてこの本を手にしたとしても幸いなり。あなたのペンギンへの認識を払拭してくれることうけあい。これは日本のあちこちの水族園、動物園で飼われているフンボルトペンギンを知るための優れた普及書であり、ペンギンたちの未来がけっして私たちと無縁ではないことを教えてくれる。
 一科学畑の元記者がペンギン会議に参加した顛末記を、そしてそれぞれの仲間たちが得意の駒を進めて新たな展開を予感させる、「生き物とかかわる」生き方を選んで行く様子はさわやか。
 
 お薦め度:★★★  対象:好きなもの(こと)がある人、ステップアップの方法が学べます!

【和田岳 20030424】
●「サボテン島のペンギン会議」川端裕人著・福武忍絵、アリス館

 フンボルトペンギンと言えば、動物園や水族館ではおなじみ。名前は知らなくても、姿は誰でも見たことがあるに違いない。でも、そのフンボルトペンギンがもともとどんな場所でくらしているかを知ってる人は少ないだろう。この本は、そのフンボルトペンギンのふるさとを訪ねる話。タイトル通り、サボテンの生える島で繁殖する光景は不思議な感じ。
 その他にも、日本にいるペンギンの過半数がフンボルトペンギンで、日本は世界で一番ペンギンをたくさん飼っている国で、日本ではフンボルトペンギンは普通に繁殖するけど欧米ではなかなか繁殖しない、などなど日本のペンギン事情を、そして故郷チリのフンボルトペンギンの現状を知るのにお薦め。
 
 お薦め度:★★★★  対象:ペンギン好きはもちろん、生きもの好き、動物園・水族館好きも

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