友の会読書サークルBooks

本の紹介「相模湾動物誌」

「相模湾動物誌」 国立科学博物館編 東海大学出版会、2007年3月、ISBN4-486-03158-X、3200円+税


【注意】本の紹介は、それぞれの紹介者が自らの判断によって行なっています。他の人からの意見を取り入れて、変更をする場合もありますが、あくまでも紹介文は紹介者個人の著作物であり、サークル全体や友の会、あるいは博物館の意見ではないことをお断りしておきます。
 もし紹介文についてご意見などありましたら、運営責任者の一人である和田(wadat@omnh.jp)までご連絡下さい。

[トップページ][本の紹介][会合の記録]


【萩野哲 20070625】
●「相模湾動物誌」 国立科学博物館編 東海大学出版会

 「相模湾」はお雇い外国人たちが注目して以来130年、多くの動物学者により、日本でも最も調査が進んだ海域の1つである。本書は、相模湾の特異性、調査の歴史、各動物群の状況を要領よくまとめている。特に注目すべきは、外国人たちの内、デーデルラインやドフラインが持ち帰った標本(多くは原記載に用いられた模式標本)が最近の調査で発見された経緯に当てた記載の部分であり、その標本群の“多様性”から彼らの精力的な採集意欲と、更にそれらの標本を、必ずしも平和でなかった時代にすばらしい状態で保管していた欧州の博物館の態度に、心から敬意を表したい。また改めて、きちんとした採集年月日と採集地が記載された標本の大切さを認識することができた。

 お薦め度:★★★  対象:自然史大好きな人はもちろん、自然史を知ってほしい全ての人

[トップページ][本の紹介][会合の記録]