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本の紹介「山賊ダイアリー 1巻」

「山賊ダイアリー 1巻」岡本健太郎著、講談社イブニングKC、2012年2月、ISBN978-4-06-352391-1、543円+税


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【中条武司 20130222】【公開用】
●「山賊ダイアリー 1巻」岡本健太郎著、講談社イブニングKC

 現役猟師兼マンガ家が狩猟を通じて野生生物との付き合い方を伝えていく、何てことはまったくなく、作者の普通の生活である狩猟とジビエな日々を綴っているマンガ。絵も話の構成も今ひとつなんだけど、のんびりとした猟師生活がかいま見られておもしろい。罠猟の初獲物は「食えたもんじゃないらしい」タヌキだったので逃がした話(初獲物は仲間で分け合うのが風習らしい)だったりとか、カラスの味が牛肉に似ているとか、普通の生活として身近な生き物を狩って食べるというのが描かれている。とりあえずヒヨドリとカラスは一度食べてみたいなあ。
 課題の巻ではないけど、2巻で主人公が初めてイノシシを罠で捕る回は、猟師初心者である作者の心情と猟師仲間の対応が心温まります。

 お薦め度:★★★  対象:狩猟を野蛮と思わないマンガ好き

【和田岳 20130216】
●「山賊ダイアリー 1巻」岡本健太郎著、講談社イブニングKC

 岡山県の新米ハンターをえがいたマンガ。狩猟免許とって、先輩に教えてもらいながら狩猟を始めて、仲間と一緒に猟に行くようになって、自分で捕った獲物を食べる。
 とにかく殺した以上は食べるという主義は好感が持てる。動物にもけっこう詳しいし、大きな間違いは見あたらない。殺してさばいてという部分でも、そこそこ衛生上の配慮もしてる様子。ただ、頂けない部分も少々。シカやウサギの糞を食べたり、マムシの生き血を舐めたり。衛生上の問題があるので、真似しない方がいいだろう。
 狩猟というと、動物を殺す→残酷。というのが一般的なとらえ方だろうか。狩猟して獲物を食べるってのは、意外と普通の営みだという事を伝えるという意義はけっこう大きいように思う。

 お薦め度:★★★  対象:動物に興味のある人

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