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本の紹介「札幌のカラス」

「札幌のカラス」中村眞樹子著、北海道新聞社、2017年10月、ISBN978-4-89453-878-8、1400円+税


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【西本由佳 20210222】【公開用】
●「札幌のカラス」中村眞樹子著、北海道新聞社

 札幌でカラスの研究をしている著者が一問一答形式でカラスの謎について解説してくれる本。一般市民がカラスについて疑問に思ったり、誤解していることについて平易な言葉で答えてくれる。著者はカラスたちを親しい友人のように扱い、人間がカラスのことを理解し、適切にふるまえば共存できるという姿勢である。これを読むことで、カラスに親しみをもち、カラスを楽しい隣人と思ってくれる人が増えるといいなと思う。

 お薦め度:★★★  対象:好きか嫌いかはともかくカラスが気になる人
【冨永則子 20210202】
●「札幌のカラス」中村眞樹子著、北海道新聞社

 自然の少ない都会に住む私たちにも身近な野生動物がカラス。著者は都会に生きるカラスに魅せられ、人間の暮らしと密接に関わり合うカラスの本当の姿を伝えることで、カラスと上手に付き合っていく術を広く知らせようとしている。カラスの行動を基本編、食べる編、珍しい行動編、子育て編、困った編と5つに分け、Q&A方式で紹介していく。“札幌の…”とあるが、カラスの行動で札幌らしいのは雪で遊ぶところぐらいだろうか。それ以外は都会で暮らすカラスに共通すると思われる。著者は20年ほど前から、ほぼ毎日札幌のカラスを観察しているそうだ。なるほど、観察してこそ見られるであろう行動が詳細に語られている。それも、昼夜を問わずカラスが行動している時間帯全てに渡っている。いったい本業は何なんだろう? 著者近影を見ると80年代のモード系桃井かおり風で迫力を感じるオネエサンだ。

 お薦め度:★★★  対象:カラスが気になるすべての人に
【和田岳 20210223】
●「札幌のカラス」中村眞樹子著、北海道新聞社

 札幌市を中心に、カラスを観察しまくっている著者が、カラスについての48の質問に答えていくってスタイルの一冊。カラスの基本から始まって、食性、面白い行動、子育て、人間との関わりと、内容は多岐にわたる。
 カラスについての情報、つき合い方についての考え方は、「カラスの教科書」や「カラスの常識」と重なる。むしろ、北海道ならではカラスの暮らしが詠み所。雪国ならではの雪浴びとか、街の中でのオオセグロカモメとの緊張関係は、札幌ならでは。

 お薦め度:★★  対象:カラスとのつき合い方を知りたい人、または北海道のカラスに興味のある人
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