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本の紹介「生物がすむ果てはどこだ」

「生物がすむ果てはどこだ 海底よりさらに下の地底世界を探る」諸野祐樹著、くもん出版、2022年2月、ISBN978-4-7743-2711-2、1400円+税


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【西村寿雄 20220823】【公開用】
●「生物がすむ果てはどこだ」諸野祐樹著、くもん出版

 深い海の底にも石や泥が詰まった地層がある。この中にも生き物が棲んでいるという話、本当だろうか。海の底、深海底には熱水噴水口などがあり熱と二酸化炭素などで生き物は生息していることが分かっている。だがしかし、海底下の地層中ではどうだろうか。生物と言っても微生物レベルの話である。著者はマリアナ海溝の下にある海底下の泥中にも微生物が棲んでいることを見つけた。こんな海底下の微生物を研究するに至った経過と調査船「ちきゅう」のことや高知コアセンターの話も絡めて著者の研究人生を語っている。

 お薦め度:★★★  対象:地中生き物に関心ある中・高生
【冨永則子 20220821】
●「生物がすむ果てはどこだ」諸野祐樹著、くもん出版

 海は広い…だけでなく、とても深い。地球で一番深い海はマリアナ海峡で、水深1万900メートル。高さが3千776メートルの富士山が三つ分ぐらいの深さ。海の浅いところから深いところまで全部を平均しても約3千800メートルもあって、富士山がすっぽり入ってしまう。そんな深い深い海の底の、さらにその下はどうなっているのか? 科学掘削船「ちきゅう」は、パイプを使って海底下の石や泥が詰まった地層を掘り出す。著者は「ちきゅう」が掘り出した海底下の泥の中に存在する微生物の研究者である。想像もできないほど過酷な環境の海底下のどこに、どれくらい微生物が存在し、何をして、どうやって生きているのかを調べている。でも、そもそも“微生物”ってナニ? そのへんの解説がスルーされている気がする。

 お薦め度:★★★  対象:海の底の底に興味がある人に
【中条武司 20220823】
●「生物がすむ果てはどこだ」諸野祐樹著、くもん出版

 海底の下の地中に住む生き物。70年前まで地面の下7〜8mのところまでしかいないと考えられていたのが、この1990年代には地下数百m下まですんでいることがわかった。さらに筆者らの調査で地下2.5km、1億年前の地層からも「生きている」微生物が発見された。これらの微生物を見つけるにはどんな方法で?これらはどのように生きているか?さらにどこまでいるのか?などなどに挑戦する著者らの研究を、児童書の形で解説している。入口部分はよく理解できたので、さらにもう一歩踏み込んだ普及書を希望。

 お薦め度:★★★  対象:小学生以上、未知のことを知りたい人
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